契約時の電子署名、若年層の利用意向が6割超
(一社)不動産流通経営協会は28日、「不動産流通業に関する消費者動向調査」の結果を公表した。
居住用不動産取得者の取得行動やサービス利用の実態・評価を時系列で把握するのが目的。1991年から隔年で実施し、2001年以降は毎年実施している。今回で26回目。調査対象は1都3県で20年4月1日〜21年3月31日に購入した住宅の引き渡しを受けた世帯。調査は21年6月29日〜7月25日、ウェブアンケート形式で実施した。回答数は1,255件。
住宅購入資金について、「親からの贈与」を受けたのは新築購入者で17.3%(前年比1.8ポイント低下)、既存購入者で14.0%(同2.2ポイント上昇)となった。平均贈与額に関しては新築が1,036万7,000円(同7.9%増)、既存が639万7,000円(同22.5%減)。
銀行の民間ローン利用者は新築74.8%(同5.7ポイント上昇)、既存69.2%(同7.7%上昇)と、共に上昇した。利用した民間ローンの金利タイプは、変動金利型が82.1%(同8.3ポイント上昇)とさらに拡大した。変動金利を選択した理由については、「現在の金利が低いから」が67.0%(同0.3ポイント増)で最も多く、「今後もそれほど金利上昇しない」という回答も57.7%(同1.3ポイント減)と高かった。
重要事項説明や売買契約締結においてのIT利用について、今後住宅購入する際のIT重説の利用意向について聞くと、「利用したいと思う」が全体の37.4%を占めた。利用したいと思う理由については、「不動産会社に行く手間が省ける」が81.0%で最も多く、「日程調整の幅が広がる」60.6%が続いた。コロナ感染拡大を意識して「長時間の相対説明を回避できる」という回答も30.1%あった。また、「積極的には利用しない」が37.2%、「利用しない」が24.9%となっており、その理由については、80.0%が「住宅購入に関わる大事なことなので対面が良い」と回答している。
IT重説の利用意向がある世帯に、重要事項説明の電子交付の利用意向の有無を尋ねたところ、全体の87.0%が「利用したい」と回答。また、IT重説の利用意向関係なく契約締結時の電子署名の利用意向を聞くと、54.8%が「利用したい」と回答。特に39歳以下の回答では、利用意向が6割を超えている。
コロナ禍が住宅購入に「影響した」と回答した割合は全体の34.2%。そのうち、「当初予定よりも購入時期を早くした」という回答が54.3%と、「遅くした」の8.6%を大幅に上回った。購入した住宅の立地については、「利便性の高い場所にする予定だったがコロナの影響で郊外を選択した」という回答が16.1%となった。また、間取りを「当初予定よりも増やした」という回答は13.1%となった。
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