コロナ禍で「広さ」「快適性」求める動き強く
(一社)不動産流通経営協会は20日、「コロナ禍による顧客動向調査」の結果をまとめた。会員企業の店長・所長(賃貸を除く)を対象に行なった緊急アンケートで、調査期間は21年9月16日〜10月4日、有効回答数は771件。
昨夏以降、特に買い需要が増加したと言われる理由について複数回答で聞くと、「コロナ禍を契機により広い空間や間取りを求める人が増えた」が70.0%で最も多かった。自由回答でも、在宅時間の増加により住まいについてあらためて考える時間ができ、広さや間取りを含めた多様な快適性を求める人が増えたという趣旨の意見が多かったという。 次いで多かったのは「感染リスクの広がりで動きが止まっていた需要の蓄積」が33.7%、「金利からみて今が買い時と思っている人が増えた」も30.7%と3割を超えた。一方、「複数の会社に買い委託を依頼しているため、実質的にはそれほど増えていない」という意見も見られた。
買い需要が増加している一方、売却需要・在庫が減っている状況の理由について聞くと、「感染リスクを避け、人との接触を敬遠しているため」という回答が59.5%、「相場が強含みなので様子見」が49.7%となった。「減っていない」という回答は5.2%。自由回答では、「市場が低迷していて有利な売却が期待できないという思い込みによる売り控え」という趣旨のコメントが目立ったほか、「在庫が少ないので住み替え先が見つからず、買い替えのための売却も少ない」と、需要の強さを理由にする声も多かった。
直近の需要について、より広い空間や間取りを求める顧客の割合を、コロナ禍以前と比較して「増えた」「やや増えた」とする回答は合わせて76.1%、「減った」「やや減った」は合わせて0.5%と大きな差が出た。ただし、地域による違いも大きく、東京23区を除く1都3県では「増えた」「やや増えた」が9割近くに上った一方、中京圏(愛知県)では半数以下にとどまった。
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