東建、什器再利用したセットアップオフィス提案
東京建物(株)は20日、退去テナントの内装・什器類の一部を利活用し、新たなテナントに内装・什器付きで貸し出す「サスティナブルセットアップオフィス」の初弾を、同社のオフィスビル「東京スクエアガーデン」(東京都中央区)に完成。リーシング活動を開始した。29日、報道陣に公開した。
SDGs達成に向けた持続可能な取り組みの重要性の高まりと、働き方の変化に伴うオフィスニーズの変化に対応するための取り組み。通常、テナントが退去する際に必要な内装・什器の撤去の量を減らすことで、廃棄物を削減。次の入居者の内装工事・什器購入費用の低減とテナント退去時の原状回復費用の低減を図る。内装・什器の一部をリサイクルしつつ、一部ゾーンは入居テナントの希望を反映するセミオーダー型とすることで、テナントニーズに応じたフレキシブルな働き方を可能とする。
フレキシブルオフィスは「東京スクエアガーデン」12階の一画(約525平方メートル)を改装したもの。従前のテナントは会議室フロアとして使っており、大小合わせて19の個室があった。このうち小会議室4室はそのまま活用。窓際の小会議室はオープンエリア、ファミレススペースとしているほか、新たにフレキシブルスペース、セミクローズドスペース、コミュニケーションスペース、ウェブ会議用のブース2つを設置した。新たな什器は木調家具を多用。カーペットの一部は木目調のクッションフロアとしたほか、随所にフェイクグリーンを配して温かみのある空間を目指した。想定利用人数は45〜60名。改装費は非開示。
内装・什器類はテナントが退去時に処分するのがルールのため、今回は同社がテナントに利活用目的で残置するよう依頼した。そのうえで、従前の会議室の間仕切壁を約2割、会議室の椅子やコート掛けなど35点、カーペットの約6割を再利用している。再利用しなかった廃棄物についても、リサイクル業者を通じて約8割が再利用される。また、新たに設置した一部の什器はリサイクル素材を用いたものを使用したほか、入居企業にはリユースボトルを提供して、マイボトルによる紙コップ廃棄の削減を目指す。
新たな什器を追加しているため改装コストの低減率は高くはないものの、入居工事や原状回復の負担が減るフレキシブルオフィスニーズが高まっていること、環境に配慮したオフィスのバトンをつなぐことで循環型社会の推進を図る意義から、今後もテナントへ提案していく方針。
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