多拠点居住等で“次世代のスタンダート”に/三井不レジ
三井不動産レジデンシャル(株)は24日、多様化するニーズや外部環境の変化を踏まえた、住宅事業における“次世代のスタンダート”を目指す取り組みについての記者会見を開いた。
同社では、ブランドコンセプト「Life-styling×経年優化」のもと、多様化するライフスタイルに応える多様な取り組みを推進。多拠点居住サービス、シニアサービスレジデンス、顧客と共に実現する脱炭素社会を柱に、“次世代のスタンダート”を目指すとしている。9月からは、“住の自由化”として多拠点居住サービス「n’estate(ネステート)」のトライアルを開始した。
多拠点居住は、コロナ禍をきっかけにニーズの高まっているものの、その一方で金銭的・時間的・心理的ハードルが高い。その課題解決に向け、「三井のすまいLOOP」会員および一般を対象に、都心・地方都市を中心に展開する「PARK AXIS(パークアクシス)」、グループ・パートナー企業の施設等に、ワーケーションやレジャー、お試し居住など利用目的に応じて1泊から居住できるサービスを提供していく。
同サービスは、会社員を中心に20〜50歳代まで幅広い年齢層が、週末の観光・趣味の拠点やワーケーションを目的に利用。お試し同棲やお試し一人暮らし、受験の拠点など、数は少ないものの想定以上にさまざまなニーズがあることが分かった。都市型拠点(8物件26戸)は、開始1ヵ月で25戸に対して1泊〜6ヵ月と短期から中長期での申し込みがあり、郊外型拠点については来春入居に向けて1件の申し込みを得ている。トライアル期間として来年9月まで1年程度運用した後、本格運用に移行する計画。トライアルで得られた知見等をもとに、居住面積や間取り、民泊の活用など1拠点目(現居)の見直しを含めたライフスタイル提案、将来的にはネステート利用券付分譲マンション等新しいサービスの提供を検討していく。
またアッパーミドルクラス以上を対象にしたシニアサービスレジデンス「パークウェルステイト」では、現在首都圏・大阪で6物件を展開。第3弾の「千里中央」が23年3月に開業予定で、同物件の問い合わせ数は約3,000件超、来場は約700件超、現時点での申し込みは約200件。申込者の属性は、70歳代約45%、80歳代以上約45%、60歳代が約10%。1人入居が約65%、2人入居が約35%。男性約40%、女性約60%。
カーボンニュートラルの取り組みでは、“くらしの潤い”として、くらしそのものがカーボンニュートラルに寄与するサービス提供を開始。電力不足が懸念される冬場における第1弾背策として、12月より、各住戸のCO2排出量等の見える化、顧客が持続的に脱炭素活動を行なうことを支援する「くらしのサス活」を開始。脱炭素につながるトリガーとして、CO2削減量に応じた多様な特典も用意している。
同社取締役専務執行役員の山田貴夫氏は、「新築分譲マーケットが縮小する中で、次の住まいや暮らしのニーズが生まれたときに、また三井を、2回目3回目使ってくれるお客さまを増やしたい。そのためには従来の分譲マンション、賃貸マンションだけでなく、新たなニーズの提案をすることが必要。幅広いトライアルで三井のファンを一人でも多く獲得していきたい」などと話した。
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