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買い時感がさらに低下、過去最低水準に/全宅連調査

 (公社)全国宅地建物取引業協会連合会が1日公表した「不動産の日アンケート」の結果によると、今が「不動産の買い時だと思う」という回答が過去最低水準だった前年調査をさらに下回る6.4%となった。9月23日の「不動産の日」にちなみ、住宅の居住志向や購買傾向等を毎年調査しているもの。2022年9月23日〜11月30日、国内の20歳以上の男女を対象にインターネットで調査した。有効回答数は2万3,091件。
 不動産の買い時感について聞いたところ、「買い時だと思う」が6.4%(前年比4.1ポイント低下)、「買い時だと思わない」26.4%(同0.8ポイント上昇)、「分からない」67.2%(同3.3ポイント上昇)となった。「思う」という回答が過去最低水準だった前年をさらに大きく下回っており、買い時感が弱まっている。一方で、「思わない」の上昇幅は小さく、「分からない」が大きく上昇していることから、買い時か否かの判断が難しい状況にあることが読み取れる。
 買い時だと「思う」理由についてみると、「住宅ローンの金利が上昇しそう」が36.8%(同14.3ポイント上昇)で最も多く、次いで「住宅ローン減税など支援制度が充実している」30.5%(同10.9ポイント低下)となり、金利の先高観が強まっていることで、住宅購入を急ぐ様子が読み取れる。また、「思わない」理由については、前年2番目だった「自分の収入が不安定・減少しているから」が26.0%(同0.5ポイント低下)で最も多かった。次いで前年トップの「不動産価値が下落しそうだから」19.4%(同9.4ポイント低下)となり、物価上昇や賃金減少など経済的な要因がより大きな影響を及ぼしている。
 自身や家族の家で、将来空き家になる・すでに空き家化している状況があるかどうかについて聞くと、「すでに空き家になっている」6.1%、「将来空き家になる可能性がある」19.8%、「分からない」28.5%、「ない」45.6%と、約4分の1がすでに空き家化した、もしくは将来その可能性があると回答した。
 空き家化した・可能性があると回答した人に対して、どのような検討をしているか聞くと、「放置・何も考えていない」が35.6%で最多。次いで「話し合いの必要を感じつつ、まだ何も行なっていない」が19.4%と、半数以上が具体的な行動には移せていないことも明らかとなった。一方、具体的な行動に移せているケースでは、「家族で話し合いを進めている」11.3%、「売却手続きを進めている」11.2%などとなり、「不動産業者に利活用相談をしている」という回答は5.6%となった。
 また、売買・賃貸の不動産取引において電子契約が解禁されたことについて「知っている」という回答は6.3%にとどまり、「聞いたことがある」21.4%。「知らない」が72.2%と大半を占めた。年代別に回答をみると、「知っている」は20歳代が23.1%で最も多く、30歳代以上は5〜6%台にとどまった。
 不動産の電子契約についての利用意向を売買・賃貸それぞれ聞いたところ、売買では「積極的に利用したい」13.5%、「印紙税非課税のメリットがあるなら利用したい」20.5%と、合わせて34%に利用意向があった。一方で、「書面の方が安心」20.0%、「高額取引なので抵抗がある」12.2%、「利用しない」12.1%となった。賃貸では、「積極的に利用したい」が7.5%なのに対して、「書面の方が安心」19.9%、「抵抗がある」5.2%、「利用しない」23.1%となった。

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