販売・賃貸時の省エネ性能表示ルールでとりまとめ
国土交通省は3日、建築物の販売・賃貸時の省エネ性能の新たな表示ルールについてとりまとめを公表した。2022年6月に「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)」が改正・公布されたことを受け、22年11月に設置した「建築物の販売・賃貸時の省エネ性能表示制度に関する検討会」で議論してきた。新制度の施行は24年度の予定。
表示ルールは、「告示」と「ガイドライン」で定めることとする。告示については勧告等の措置にかかわるものであるため、販売・賃貸に関連するさまざまな表示に共通する必要な内容を定める。また、ガイドラインは、省エネ性能表示の普及拡大の観点から望ましい在り方を示すものと位置付けた。
告示で定める事項については、消費者の物件選択の参考になるよう、「省エネ性能を多段階で評価した結果」を「評価時点と併せて」表示すべきとする。住宅については、一次エネルギー消費性能を0〜30%(再エネ利用設備を設置している場合は最大50%)削減まで表示し、断熱性能については品確法の断熱等級1〜7より段階的に表示することとした。非住宅建築物については、一次エネルギー消費量を0〜50%まで段階的に表示する。
表示方法については、国が様式を定めるラベル表示を行なう。ラベルには、表示すべき事項のほか再エネ利用設備の有無、第三者評価の有無、設計上のエネルギー消費量を光熱費に換算した「目安光熱費」を付加することができる。ラベルは広告に掲載するほか、事業者のホームページや建築物に関する調査報告書等に掲載する。なお、多段階評価が低下する仕様変更が生じた場合は変更後の仕様に基づいて表示する義務がある。
ガイドラインでは、消費者等への追加的な情報提供として、一次エネルギー消費量や外皮性能に関する性能値や建築物省エネ法の各基準への適否、ZEB・ZEHに関する情報を定め、これらの情報を一覧できるような評価書のひな形も示すべきとした。 また、建築時に省エネ性能を評価していない既存建築物についての対応についても、その特性を踏まえた表示ができるようにすべきとした。告示で定める表示事項の代替となる表示を検討し、その結果をガイドラインに反映する。その内容については、国土交通省・経済産業省が連携し、23年度中をめどに反映していく。
円滑な施行に向けた留意事項として、広告等に関する業界規約やガイドラインとの整合を図ることや、中小事業者等が対応できるよう、具体的な手順の提示や設計者等への周知が必要だとしている。
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