(株)帝国データバンクは15日、「首都圏・本社移転動向調査」結果を発表した。2022年に首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)・地方をまたいだ本社所在地の移転が判明した企業(個人事業主、非営利法人等含む)について、保有する企業概要データベースのうち業種・規模が判明している企業を対象に調査を実施した。
首都圏から地方へ本社または本社機能を移転した企業は335社。最多だった21年の335社に次ぐ過去2番目の多さで、コロナ禍前の19年の1.4倍。一方、首都圏へ転入した企業は258社で、2年ぶりの減少。地方の成長企業などを中心に首都圏に本社を移す動きは弱まり、過去20年間で最少となった。この結果、転出が転入を上回り、2年連続の転出超過となった。2年連続の転出超過は09〜10年以来12年ぶりで、超過規模は過去20年間で最多だった。
移転先の最多は「茨城県」の34社。次いで「大阪府」(30社)、「愛知県」(24社)、「群馬県」(19社)、「北海道」(16社)の順。転入元の最多は「大阪府」の57社。以下「愛知県」(27社)、「北海道」(19社)、「福岡県」(18社)、「茨城県」(15社)の順。
業種別では、転出企業で最も多いのは「サービス業」の129社。次いで「製造業」(68社)、「卸売業」(50社)、「小売業」(35社)で、不動産業は20社だった。転入企業のトップも「サービス業」(98社)で、不動産業は23社だった。
同社は「人事や総務部門など企業活動におけるコア機能としての本社は、テレワークやウェブ会議など IT ツールの導入で、より低コスト・低リスクで効率的な運用が可能となるなど、コロナ禍前では実感しにくかったプラスの側面も明らかになり、首都圏に必ずしもオフィスを置く必要性がないという企業の認識は、一過性の現象から半恒久的なものへと定着しつつある」とし、企業の「脱首都圏」の動きは当面続くとみられるとしている。
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