FRK太田新理事長が会見「管理価値を明確化」
5月25日の定時総会で(一社)不動産流通経営協会の理事長に就任した太田陽一氏が4日、就任会見を行なった。
同氏は「アフターコロナにおける不動産流通市場の発展に向け、消費者の需要変化を的確にとらえて対応していきたい。コロナ禍において、ライフステージごとに住み替えるとか、複数拠点での生活を楽しむとか、新しい住まい方に関する発見があったように思う。そうしたライフスタイルを不動産事業者の立場から支援していきたい」と抱負を述べた。
最近の既存住宅流通市場については「東日本レインズによると既存マンションは成約件数が減少し、在庫件数が増加傾向にあるが、成約価格は36ヵ月連続で上昇し、引き続き高い水準をキープしている。営業現場においてはコロナ禍で盛り上がった需要が一巡し、消費者の購入意欲は一服しているものの、ユーザーの住まいに対する関心は依然として強く、低金利等の環境の良さもあり、足元は堅調に推移していると言っていい」と分析。今後の市場動向については、「細心の注意を払わなくてはならないが、価格・融資環境・消費者マインドのバランスを見ると、現状、価格は上昇しているが融資環境と消費者マインドは悪くない。不動産流通市場は自律的に安定する特性があるので、大きな心配はしていない」と話した。
調査研究事業では、「マンションの経済価値把握」「投資商品としての不動産」などの研究に力を入れていくとした。マンションの経済価値判断に関しては、築年数の高いストックが蓄積される中で、「管理」の果たす役割を研究していくとした。「管理の価値というのは目に見えないが、資産価値にどのような影響を与えるのかということを明確にしていく。そして、その価値を不動産流通市場に落とし込むことが新たなマーケット形成につながっていく」と述べた。 投資商品としての不動産については、「日本の賃貸住宅は世界的に見ても信頼性が高く、投資商品としての安定性が高く評価されている。ユーザーが物件購入する際にも投資という視点で物件を選ぶ人は多い。今後、より一層不動産と投資が密接にかかわっていくことになるだろう。身近な投資商品として安全な不動産投資商品が市場に供給されていくことで、不動産事業者のビジネス機会創出・信頼性向上につながっていくのではないだろうか」(太田氏)。
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