定借マンションの評価、築20年前後から残存期間が影響
(株)東京カンテイは31日、「定期借地権付き分譲マンション」(以下、「定借マンション」)住戸の新築・既存流通市場での価格水準についてのレポートをまとめた。
特定の駅徒歩15分圏内に立地する定借マンションを対象に、同駅勢圏で定借マンションの竣工前後1年間で供給された所有権分譲マンションと、新築・既存価格をそれぞれ比較し、経年による資産価値変化を検証した。
2020年以降に竣工した定借マンションは、新築分譲時は周辺相場(=100)に比べて平均値76.9となった。既存流通時の資産評価が、所有権分譲マンションの評価水準(変動率)を上回った物件は対象となった12物件のうち9物件。「竣工からまだ間もないこと、借地期間がさほど消化されていないことから、スペックの高さ等が高く評価されている様子がうかがえる」(同社)。10年代に竣工した定借マンションの新築分譲時の周辺相場比は平均83.7。この期間に竣工した54物件のうち、所有権マンションよりも高く評価されたのは37物件と、まだ築年が浅いことから高く評価されている。
しかし、00年代になると、対象114物件の新築分譲時の周辺相場比は平均75.0で、対象物件のうち流通時評価が所有権マンションを上回ったのは32物件にとどまった。「00年代に竣工した定借マンションの大半は借地期間が50〜60年。物件によってはその3分の1以上を消化しており、大半の定借マンションにおいて竣工後20年前後から残りの借地期間が資産価値に影響を与え始めると考えられる」(同社)。
定借マンション黎明期の90年代の竣工物件は、新築分譲時の周辺相場比は69.7と所有権マンションよりもかなり割安に設定されていた。流通時評価が所有権マンションを上回ったのは対象62物件のうち11物件と2割を割っている。
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