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全宅連、「住宅居住白書」を初公表

 (公社)全国宅地建物取引業協会連合会および(公社)全国宅地建物取引業保証協会は23日、「住まいに関する定点/意識調査」の結果を「2023年 住宅居住白書」として初めてとりまとめ、公表した。同調査は9月23日の「不動産の日」に合わせて毎年実施しているもので、今回は23年8月18〜21日、全国の20〜65歳の男女5,151人にインターネットで調査した。
 不動産の「買い時感」について聞いたところ、買い時だと「思う」が15.8%(前年比9.4ポイント増)と増加した一方、「思わない」という回答も37.0%(同10.6ポイント増)となった。「分からない」という回答は47.2%(同20.0ポイント減)と大きく減少し、依然として半数近い回答比率となってはいるものの、不動産の売買に関する判断が困難な状況が改善されてきたこともうかがえる。
 買い時だと「思う」理由は、「住宅ローン金利が上昇しそう」が44.0%、「不動産価格が安定・上昇しそう」が24.9%と、金利や不動産価格の先高観が上位に。また、「住宅ローン減税など住宅取得支援制度が充実している」という回答も24.6%と高かった。半面「思わない」という回答理由は「不動産価格が下落しそう」29.7%が最も多く、次いで「自分の収入が不安定・減少している」が25.4%となり、景気の先行き不透明感をうかがわせた。
 「持家派」「賃貸派」については、「持家(マンション・集合住宅)」が17.8%、「持家(戸建て)」が49.7%、「賃貸(マンション・集合住宅)」が15.2%、「賃貸(戸建て)」が2.2%。持家派が67.5%(同12.4ポイント減)と大幅に減少して初めて7割を割り込んだ。賃貸派も17.4%(同4.7ポイント減)、今回新設した「どちらともいえない・あてはまるものはない」が15.1%となった。 「持家派」の理由は、「家賃を払い続けることが無駄に思える」が56.8%で最も多く、「落ち着きたい」37.4%、「老後の住まいが心配」35.3%となった。「賃貸派」の理由は、「住宅ローンに縛られたくない」が45.3%で最多で、次いで「税金や維持管理にコストがかかる」34.3%、「不動産を所有しない身軽さが良い」が29.4%だった。
 天災に対する住まいの意識についても調査。天災に対する住まいの意識について当てはまるものを挙げたもらったところ、「築年数や構造について考えるようになった」と「緊急避難場所や防災マップ・ハザードマップを意識するようになった」が共に35.2%でトップ。次いで「地盤などの状況を意識するようになった」が30.3%に。一方、「特にない」が25.8%と約4分の1を占めた。 ハザードマップの認知度については、「住んでいる地域のハザードマップを見たことがある」という回答が60.6%に達し、「どんなものかは知っているが見たことがない」の23.2%と合わせて、認知度は83.8%となった。
 空き家問題に関する現状調査では、自身や家族の家で将来空き家化する、もしくはすでに空き家化している状況がの有無について、「すでに空き家になっている」が8.2%、「将来空き家になる可能性がある」が26.8%となり、35.0%が空き家化の問題を抱えていることが分かった。「すでに空き家化」「将来空き家化」と回答した人の対策については、「話し合いの必要を感じつつもまだ行なっていない」が34.9%で最も多く、「放置・何も考えていない」が27.9%。「家族で話し合いを進めている」は17.6%だった。

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