事故物件の売却は慎重に!告知義務や相場を解説

事故物件の売却は慎重に!告知義務や相場を解説

アパート・マンション経営をしている方の中には、事故物件の売却について興味がある人もいるはずです。所有している物件に病気で亡くなった方がいたり、事件や事故で亡くなった人がいたりする場合、「これは事故物件になるの?」「事故物件だとしたらどうやって売却するの?」とお悩みでしょう。
そこで今回は、事故物件の売却について詳しく紹介します。

事故物件とは

そもそも事故物件とはマンションやアパート、一戸建て、土地で自殺や他殺などによって人が死亡した不動産のことをいいます。 もっと専門的に説明すると、「事故物件=心理的瑕疵(しんりてきかし)のある物件」となります。 ただ、病死や老衰、不慮の事故による死亡事例については事故物件には該当しません。

心理的瑕疵と告知義務

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ここでいう心理的瑕疵とは、該当物件で起きた事故や事件の話を聞いて、買主や借主が怖いなど、不快な気分になるようなことです。 契約前にその事故や事件の話を聞いていれば、その物件の購入をしなかった、または減額交渉をする可能性が高い物件も該当します。 ただ自殺や殺人事件などだけが心理的瑕疵ではなく、近くに火葬場や反社会的勢力の活動拠点、風俗店があるなどの理由でも該当します。 思ってもいないところで心理的瑕疵に該当する場合があるため、勝手な判断をせず専門家に相談するのがおすすめです。

◇告知義務について

売主が買主や借主に、物件に関わる重要な情報を隠さず伝えることを告知といい、必ず告知しなければならないことを告知義務といいます。 これまで事故物件に対する適切な調査や告知に関する判断基準がなかったために、事故物件の告知が曖昧になっていました。 それでは円滑な流通や安心できる取引ができません。 たとえば、単身高齢者が病死すると事故物件扱いになるかもしれないと思い、所有者が単身高齢者の入居を断るケースなどです。 そういった状況を打破するために、2021年に国土交通省が人の死の告知に関するガイドラインを定めました。 そしてこれまでの裁判例や取引実務を参考に、一般的な基準も発表されています。 告知義務のない事案や事故物件に該当する内容を詳しく見ていきましょう。

◇告知義務のない事案

告知義務のない事案は主に3つです。
1. <賃貸借・売買取引>自然死や日常生活での不慮の死
2. <賃貸借取引>事故物件に該当する事案発生後おおむね3年経過した後
3. <賃貸借・売買取引>隣接住戸や日常生活で通常使用しない集合住宅の共用部分で発生した1.以外の死、特殊清掃などが行われた1.の死
賃貸借取引の場合と売買取引の場合で告知義務の範囲が異なっているのが特徴です。 どちらかというと、賃貸借取引の方が告知義務の条件が緩くなっています。 また対象不動産の隣接住戸や普段あまり使わない共用部分での死に関しては告知義務に該当しませんが、事案発覚からの経過期間はありません。

◇事故物件の告知義務は3年!

2021年に国土交通省から発表されたガイドラインによれば、賃貸借取引に関する事故物件の告知義務は3年を過ぎれば消滅すると判断できます。 しかし売買取引に関しては、告知義務の目安は設けられていませんので注意してください。 実際過去の判例では、50年以上前の事件を告知しなかったことで心理的瑕疵が認められたケースもありました。 最近はインターネットで事故物件を検索できるサイトがあったり、周囲の人から事件や事故の話を耳にする場合もあったりします。 そのため、「告知しなければわからないだろう」という安易な考えはやめて、真摯な対応を心がけるようにしましょう。 告知義務違反をしてしまうと裁判を起こされ、損害賠償を支払わなければならなくなる可能性もあるため、くれぐれも注意してください。

告知のポイント

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◇書類に記載する手

先ほど紹介した告知義務のない事案はガイドラインではあるものの、いくつか注意しなければならないポイントがあります。 ここでは告知のポイントについて見ていきましょう。 先ほどのガイドラインにあった告知義務のない事案2.や3.であっても、事件性や周知性、社会に与えた影響が特に高い事案については、告知義務が生じます。 また告知義務のない事柄であっても、取引相手の判断に重大な影響を及ぼす可能性がある情報であれば告知する義務が生じるとの記載もあるので、注意しましょう。 さらに、買主や借主から人の死に関する事案の有無について聞かれた場合は、事案発生から時間が経過していてもまた死因に関わらず告知しなければなりません。 社会的影響が大きい情報の場合、買主や借主が把握しておく必要があると思った場合には告知する必要があるともガイドラインに記載されています。 告知の際は、該当事案の発生時期や発覚時期、場所、死因、特殊掃除の実施について説明しなければなりません。 ただ、以上のようなことがガイドラインに記載されているからといって、亡くなった方の名前や年齢、住所、家族構成、具体的な死の状況などを告知する必要はありません。 亡くなった方やその遺族の名誉や生活を脅かすことのないように注意してください。 ある程度のガイドラインは提示されたものの、依然としてガイドラインの更新は必要な状態です。 たとえば、事故物件に該当する事案が発生したものの、建物を取り壊して土地の売却を行う場合、対象物件で事故が起きたものの搬送先の病院で死亡した場合などの事案に関してはガイドラインがありません。 今後のガイドラインの更新で新たに告知義務に該当するケースもあるため、定期的に告知義務項目をチェックしていくと良いでしょう。

◇告知義務を怠るとトラブルに

告知義務を怠ると相手方とトラブルになり、民事上の責任を問われる可能性があります。 具体的にどういった事例があるのか、これまでにあった実際の判例をいくつか見ていきましょう。

実際の判例 その1

5ヵ月前に建物内での自殺があった物件の売買についてです。 売主は、契約時に建物の価値はないとした売買価格を定め、売主の瑕疵担保責任は免責するという内容の契約を買主と結びました。 建物の価値をないものとしたものの、自殺があったことを告知していないことが問題です。 判例ではこの物件は心理的瑕疵に該当し、特約の瑕疵担保責任の免責は認められず、買主の損害賠償請求が認められました。 この結果になった背景には、本物件が居住用で、事件が比較的最近であったこと、事件を隠したまま売買したことがあります。

実際の判例 その2

ベランダにて自殺があったものの売主は何も問題なく過ごし、事件から6年経過後に告知をせずマンションの売買を行った事例です。 判例では、買主の契約解除と違約金請求を認めました。 この物件は、子どもも含めた家族が居住する目的で購入したもので、自殺があったことを告知しないのは妥当性を欠くことから買主の主張が認められた判例です。 またこの判例では、事件後6年という期間はさほど長期に該当しないと判断されています。

実際の判例 その3

不動産売買にて買主が「事件や事故はなかったか」と質問したにも関わらず、売主が約7年前に起きた強盗殺人事件について告知しなかったという事例です。 事件が7年前だったとしても強盗殺人事件という内容は、社会通念上、売買価格に相当な影響を与え、売買契約の成約をも左右する内容であると判断されました。 結果、売主が告知しなかった行為が不法行為に該当するとして、買主の売主に対する損害賠償請求の一部が認められたのです。

事故物件は通常相場の2~3割引

ここまで説明したように、事故物件であっても、告知義務をしっかり守り適正に手続きをすれば売却することができます。 ただ事故物件に該当すると、購入需要が低下するために、通常の物件と比べると売却価格の相場は低くなる傾向にあるでしょう。 売却価格の相場は、事故の種類によっても変化します。 たとえば自然死であれば1割から2割程度低くなり、自殺の場合は3割程度、殺人事件の場合4割から5割ほど低くなるでしょう。 しかし事故物件は心理的瑕疵に該当するため、買主の考え方によって左右されるのも特徴といえます。 買主が事故物件に対してさほど不快に感じていないケースや立地や環境が良いなどの理由から、大幅な減額をしなくても売却できる場合もあるからです。 売却価格を決める際は、相場の状況はもちろん、不動産会社などの専門家の意見、買主からの反応、問い合わせ状況などをチェックしながら、その都度売却価格を変更していくと良いでしょう。

事故物件を上手く売却するには

不動産の買取で業者の利用をおすすめするケース

先ほども紹介したように、事故物件は心理的瑕疵に該当します。 つまり人によって感じ方はさまざまなのです。「事故物件は絶対に無理」という人もいれば、買主の中には、「3年以上経過しているから気にならない」や「きれいに掃除してくれているからOK」という考えの方もいます。 そうなると、「買い手がつきやすいように工夫をすれば良いのでは」と思いませんか? ここでは、事故物件を上手く売却するコツを見ていきましょう。

◇売却まで期間を空ける

「事故物件になってしまったから早く売りたい」という気持ちは理解できますが、事件が起きてからさほど期間が経っていない物件を購入したいと思う買主はほとんどいないでしょう。 また周辺地域での噂話も相まって、心理的に購入を避ける傾向にあります。 事故物件をできるだけ上手く売却しようと思うのであれば、売却までの期間を空けて買主を探し始めるのがおすすめです。 ただ、期間を空けたからといって、告知をせず売却するのはいけません。 告知義務に該当する内容であればしっかり告知をして、買主へ真摯な対応をする方が、心証が良いでしょう。

◇ハウスクリーニングをする

ハウスクリーニングをして売却に出すのもおすすめです。 物件内での事故や事件の場合、においや痕跡が残っている場合があります。 そのままにしておくとシミが残ってしまい、事件のことを連想してしまう可能性もあるでしょう。 そうなると、事故物件でもあまり気にしないという人であっても購入を控える可能性があります。 消臭やクロスの貼り替え、カーペットや畳の交換などを含めたハウスクリーニングをしましょう。 また、事故物件のハウスクリーニングに特化した特殊掃除を行うのもおすすめです。 その他には、リフォームして光を多く取り込み明るいイメージの部屋にしたりお祓いをする売主もいます。

◇更地にする

戸建ての事故物件であれば、更地にするのも良いでしょう。 更地にすることで事故や事件をイメージしにくくなり、大幅な値下げをしなくても良くなるケースもあります。 更地に加えて、駐車場経営をしてその土地のイメージを変えるという方法もおすすめです。 更地後に駐車場経営することで周辺住民の印象が変わり、買主も購入後の生活をしやすくなるでしょう。 ただ、告知義務に該当する事案であれば、たとえ更地にしても売却時に告知をする必要があるため、その点だけは忘れずに告知するようにしてください。

事故物件の売却方法

◇重要事項説明書

事故物件に限らず、不動産の売却方法には仲介と買取の2種類があります。 まず仲介とは、不動産会社が売主と買主の間に入って不動産を売却する方法です。 買取とは、不動産会社が不動産を買うことで、基本的には転売目的がほとんどでしょう。 通常、事故物件における売却方法を選ぶなら、買取の方がメリットが大きいといえます。 なぜなら買取では、事故物件を得意とする買取業者があるからです。 仲介の場合は、買主が現れない限り売却できないというデメリットがあります。 反対に、買取の場合は買主が不動産会社となります。 そのため仲介のように買主が見つかるまで売却できないということはありません。 不動産会社が買うといえば確実に購入してくれるため、売却までの時間も仲介より短期間で済みます。 仲介にも買取にもメリットやデメリットがあるため、売主の状況に合わせて仲介や買取を検討してみてください。

なかなか売れない物件は「不動産買取カウンター」へ

事故物件に限らずなかなか売れない物件を所有しており、「すぐに売却したい」と考えている方や不動産の売却についてお悩みの方は、「不動産買取カウンター」をご利用ください。 不動産買取カウンターでは、不動産会社を一括検索することでお客様に最適な買取業者を紹介するサービスを行っています。 各不動産会社にそれぞれの強みがあるため、不動産の専門知識が少ない一般の方にとっては、不動産会社選びはなかなか難しいでしょう。 不動産買取カウンターであれば、必要事項を入力するだけで、お客様に最適な不動産会社をプロ目線で提案できます。 また一般的な一括見積りサイトの場合、各不動産会社から売主に直接連絡がきて、結局どの不動産会社が良いのかと迷ってしまうケースも。 不動産買取カウンターであれば、窓口が不動産買取カウンターになるため、売主が直接交渉する必要がなく断る場合も簡単です。

不動産の買取なら不動産買取カウンター!相続物件や事故物件などの買取もお任せ

「事故物件になると売却できない」と思っていた人もいるかもしれませんが、今回紹介したように、相場の価格より低くなる可能性が高いものの事故物件の売却は可能です。 また売主が勝手に事故物件と思い込んでしまっているケースも考えられます。 今一度事故物件の定義を把握し、告知義務について理解しておきましょう。 買主に寄り添い真摯な対応をすることで、想像よりも高い価格で売却できる場合もあります。 また、事故物件の売却に関しては、不動産会社選びも重要です。 実績があり信頼できる不動産会社に依頼するようにしましょう。

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サイト名 不動産買取カウンター
運営会社 株式会社PINTCULL(ピントクル)
設立 2017年6月27日
住所 〒650-0004 兵庫県神戸市中央区中山手通3丁目10−6
TEL 050-6865-3388
URL https://kaitori.pintcull.jp
事業内容 インターネットメディアの企画・開発

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