不動産情報サービスのアットホーム(株)は24日、「地場の不動産仲介業における景況感調査」(2021年10〜12月期)の結果を発表した。
北海道、宮城県、首都圏(1都3県、東京は23区と都下)、静岡県、愛知県、近畿圏(2府1県)、広島県、福岡県の13都道府県14エリアにおいて、前年同期と比較した業況判断指数(DI)を算出した(「50」が前年並み)。アットホームの全国不動産情報ネットワーク加盟店のうち、都道府県知事免許を持ち5年を超えて不動産仲介業に携わる不動産店の経営者層を対象にインターネットで調査。調査期間は21年12月8〜18日。有効回答数は1,980店。分析はアットホームラボ(株)。
当期の賃貸仲介の業況DIは、首都圏で40.9(前期比2.0ポイント上昇)、近畿圏40.7(同3.4ポイント上昇)といずれも上昇。前年同期との比較でも両エリアともに上昇している。全国14エリア中、9エリアで前期のDIを上回り、特に千葉県では50近くまで回復した。一方、神奈川県と愛知県は3期連続の低下となった。
売買仲介の業況DIは、首都圏が46.6(同1.4ポイント上昇)、近畿圏が43.8(同1.4ポイント上昇)と両エリアともに上昇。近畿圏は2期連続の上昇となった。前年同期と比べても両エリアとも5ポイント以上改善し、緩やかな上昇傾向が継続している。14エリア中、11エリアで上昇。全エリアでDIが40を超え、宮城県と埼玉県では50を超えるなど、回復傾向が読み取れる。
22年1〜3月期の見通しDIは、賃貸仲介が首都圏51.7、近畿圏52.3といずれも50を超えた。エリア別でも、14エリア中10エリアで50以上、残りの4エリアも50に近い水準になるなど、期待感をにじませる結果となった。売買仲介については首都圏47.9、近畿圏47.9と、両エリアともに今期実績を上回った。11エリアで上昇見込みとなっており、神奈川県・京都府・広島県・福岡県では50を超えた。
不動産店からは、賃貸では「ワンルームを探す方がいない」(神奈川県相模原市)といった賃貸の主要ユーザー層の動きの鈍さを懸念する声が目立った。売買では、「コロナが落ち着いたことで以前からの検討客が動いた」(京都府木津川市)など、客足の戻りを感じさせるコメントが多かったほか、「よほど問題がない限りすぐに決まるので物件不足に悩まされている」(千葉県流山市)などといった声もあった。
同社は、「先行きに期待感が感じられるが、今回の調査時期に新型コロナウイルスの感染拡大が一時収束していたことも影響している。1月に入ってからの感染拡大がマイナスの影響を与える可能性もあり得る」と分析している。
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