20年の既存住宅流通比率、2年連続の40%超
(一社)不動産流通経営協会は19日、2020年分の「既存住宅流通量の地域別推計」を発表した。
法人・個人を問わず、売買により所有権移転が行なわれた所有権移転登記個数を、総務省の住宅・土地統計調査をベースに推計した「住宅ストック戸数」と、同省による固定資産の価格等の概要調書から算出した「非住宅ストック棟数」で按分し算出した。既存住宅流通量と新設住宅着工総数を合わせた全体の数値の中で既存住宅流通量の割合を算出し「既存住宅流通比率」とした。
20年の全国の既存住宅流通量は、56万7,721件(前年比6.1%減)となった。コロナ禍で新設住宅着工戸数も減少していることなどもあり、既存住宅の流通比率は41.0%(同1.0ポイント上昇)とわずかに上昇。4年連続で上昇し、2年連続で4割超となった。
地域別にみると、既存住宅流通量が最も多かったのは東京都で12万5,000件(同13.8ポイント減)。次いで神奈川県が5万8,000件(同1.7%減)、大阪府5万6,000件(同8.2%減)。流通比率は奈良県が47都道府県で唯一5割超となる50.6%(同3.8ポイント増)、次いで京都府48.9%(同3.4ポイント減)と神奈川県48.9%(同4.3ポイント増)、東京都は48.6%(同2.4ポイント減)だった。
東京23区は、合計10万5,592件となり、流通比率は50.2%と4年連続して5割を超えた。法務局出張所の管轄エリア別では、墨田区・江東区が1万3,170件(同1.6%増)となり23区内で唯一の増加となった。
首都圏では、23区や神奈川県横浜市と川崎市、千葉県船橋市といった自治体が減少した一方、埼玉県さいたま市と川口市、千葉県千葉市が前年よりも増加。「コロナ禍における都心周辺地域への住み替え増加を裏付ける結果となった」(同協会)と分析している。
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