24年の策定目指し、土地基本方針の見直しスタート
国土交通省は21日、第47回国土審議会土地政策分科会企画部会(部会長:中井検裕東京工業大学環境・社会理工学院長)を開催。事務局が今後の同部会における議論テーマを提案した。
同部会は、2021年7月より、所有者不明土地法の見直しに向け、議論を進め、同年12月に最終とりまとめを発表。国交省は、同とりまとめを踏まえた改正法案を今国会に提出している。同法案では、利用の円滑化の促進に向けた地域福利増進事業制度の拡充のほか、所有者不明土地対策に関する計画制度や所有者不明土地利用円滑化等推進法人の指定制度の創設などを盛り込んだ。
事務局は、同改正法が成立した場合、22年秋に施行される見込みであるほか、23年4月に国庫帰属制度等の施行、同年5月に国土形成計画・国土利用計画(全国計画)の改定などが予定されていることから、22年度以降、当面の土地政策は、これまでの一連の「制度づくりフェーズ」から、「新たな制度の段階的施行準備と活用のためのフェーズ」への移行期にあるとした。
こうした状況の下、今後の議論テーマとして、所有者不明土地対策における新たな制度の段階的な施行準備と活用状況、土地基本方針に盛り込まれた事項のフォローアップのほか、土地基本方針の次期改定を見据えた課題の抽出・調査・検討を挙げた。土地基本方針の改定時期は、「概ね5年ごとに改定することを基本とする上で、大きな影響を及ぼすような重要な制度改正が実施された場合は5年を待たずに改正する」としていることから、関係する施策や計画等の施行・改定状況を踏まえると、24年頃が望ましいとした。土地基本方針の見直しに向けては、順次、委員からのプレゼンテーションや、関係者ヒアリングを行なう。
委員からのプレゼンテーションのテーマとして、「地域における土地の利用/管理の担い手育成や地域コミュニティの位置付け、その活動を支える多様な財源確保の在り方について」「土地政策におけるデジタル技術の活用の方向性」「地域における防災・減災の観点からの土地政策の方向性」を想定している。ヒアリング対象とする団体としては、空き地等の管理条例を制定し、積極的に活動している市町村、地籍調査の先進団体、地域福利増進事業の事業者やランドバンク(推進法人)のほか、公的不動産の利活用の優良事例(データベース含む)、低未利用土地の利活用にあたり財源をうまく確保できている事例の関係者などを挙げた。
中井部会長は「委員が自由に発表できる機会を設け、広いスコープで議論を進めていきたい」と述べた。
今後は、23年4月までの間に4回程度開催し、回ごとに4人程度の委員がプレゼンテーションを実施。同年夏に最終議論を行なう予定。
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