「新築マンションPER」、高水準で推移
(株)東京カンテイは9日、2021年の三大都市圏「新築マンションPER」を発表した。
「新築マンションPER」は、同一エリア内で分譲された新築マンションの価格が月額賃料の何年分に相当するかを示すもの。同社データベースに登録された物件を対象に、新築マンション価格と募集賃料を70平方メートルに換算して算出し、駅別に集計した。集計対象は、新築・賃貸共にサンプルが一定数ある143駅。専有面積30平方メートル未満、事務所・店舗用のユニットは除外した。
首都圏の新築マンションPERは平均で24.56(前年比0.13ポイント低下)と小幅に低下したものの、依然として24ポイント台半ばの高水準で推移している。新築マンション平均価格7,828万円(同1.1%上昇)に対して平均賃料は26万962円(同1.7%上昇)と、賃料の上昇幅が新築価格をわずかに上回ったことがPERの低下につながった。集計対象の143駅のうちPERが24を超えたのは79駅で、シェアは55.2%(同1.7ポイント増)。18年の57.4%に次ぐ水準で、16年以降で5回目のシェア50%超となった。
PERが最も高かったのは、東急東横線「自由が丘」駅の40.82。21年に分譲されたマンションと、賃料事例が発生したマンションのスペックが大きく乖離していたため新築価格に比べて賃料が低く、PERが大きく上昇した。JR総武線「市ヶ谷」駅の39.57、東急東横線「中目黒」駅の35.56が続いた。逆に、PERが最も低かったのは京王相模原線「橋本」駅の15.54。
近畿圏の新築マンションPERは、平均で24.08(同0.98ポイント上昇)と、過去20年で最高。最も高かった駅は京都市営地下鉄烏丸線「今出川」駅の39.14、最も低かったのはJR神戸線「鷹取」駅の11.66だった。
中部圏は平均23.01(同0.80ポイント上昇)となり、データのある05年以降で最も高くなった。最も高かった駅は名古屋市営地下鉄鶴舞線「赤池」駅の35.44、最も低かったのは同「大須観音」駅で14.16となった。
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