大和ハウス工業(株)は17日、2022年3月期決算(連結)および「第7次中期経営計画」(22〜26年度)に関する説明会を開催した。
当期(21年4月1日〜22年3月31日)は、売上高4兆4,395億3,600万円(前期比7.6%増)、営業利益3,832億5,600万円(同7.3%増)、経常利益3,762億4,600万円(同11.4%増)、当期純利益2,252億7,200万円(同15.5%増)。米国での戸建住宅事業や、国内の賃貸住宅管理事業が堅調に推移したことに加え、物流施設を中心に開発物件の売却が順調。 2期ぶりの増収増益となり、過去最高業績となった。
戸建住宅事業は、国内ではニューノーマルに対応した住まい提案を継続、海外では米国での住宅事業やオーストラリアでの宅地分譲事業が好調に推移した。セグメント全体の売上高は6,268億8,900万円(同21.5%増)、営業利益は297億800万円(同36.2%増)。戸建住宅(請負)の受注戸数は4,332戸で、受注高は1,874億円(同11.1%増)。
賃貸住宅事業は、「請負・分譲」では工事が順調に進捗、「賃貸・管理」では管理戸数が増加・高水準の入居率を維持した結果、売上高1兆291億9,500万円(同4.7%増)、営業利益は943億3,700万円(同3.9%増)となった。事業施設事業については、開発物件売却が順調に進捗した結果、売上高は1兆1,396億4,000万円(同11.1%減)、営業利益は1,317億6,900万円(同13.7%増)。
次期(22年度3月期)は、売上高4兆5,800億円、営業利益3,500億円、経常利益3,370億円、当期純利益2,180億円としている。
新たな中期経営計画では、「収益モデルの進化」「経営効率の向上」「経営基盤の強化」の3つの経営方針と、「地域密着型の海外事業による成長の加速」「循環型バリューチェーンの拡充」「カーボンニュートラルの実現」といった8つの重点テーマに取り組み、「持続的成長モデル」を構築していく。同社代表取締役社長の芳井敬一氏は、「資材高騰等の影響は続くと見ている。グループ力を生かした仕入方法へのシフトのほか、仮想空間等を有効活用した販売手法の変革などで、なるべく顧客単価を抑え、他社と差別化を図っていく」などと述べた。
グローバルで事業展開を加速させるため、25ヵ国で地域密着型の事業を展開し、住宅や賃貸住宅、マンションなどの事業では、北米を中心に、新たに8万戸以上を供給する。地域社会の再生に貢献、長期視点の事業を加速するため、物流DXなどソフト提案までを含めた高度・先進型物流施設や、データセンターの開発など「次世代インフラの開発と雇用の創出」、卸売市場や商業施設など「老朽化した施設の再生・バリューアップ」、地域を活性化させる「地方中核都市を中心とした複合再開発」などに、約2兆2,000億円投資する。芳井氏は、「データセンターは都心での開発を計画している。また、当社で過去に開発した住宅団地における空き家等を積極的に買い取り、今の時代に合ったまちや住まいを開発し、若い世代へと訴求していきたい」と話した。
カーボンニュートラルの実現に向けては、30年度に、バリューチェーン全体で、15年度比40%以上のCO2の削減に加え、国内ではZEB・ZEH率100%を目指すとともに、原則すべての新築する建物の屋根上に太陽光発電システムを設置する。
計画最終年度の26年度の売上高5兆5,000億円、営業利益5,000億円、純利益3,400億円を目指す。
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