首都圏既存マンション、45%が1ヵ月で成約
(株)東京カンテイは28日、2021年の首都圏不動産流通市場における既存マンションの売出価格・取引価格の価格乖離率に関するデータを公表した。同社データベースに登録された既存マンションが売りに出された際の価格と、取引が成立した際の価格を比較し、その乖離率を算出・集計した。
2021年上期(1〜6月)の価格乖離率はマイナス4.63%(前期比1.42ポイント上昇)、売り出しから成約までの期間(売却期間)は3.29ヵ月(同0.86ヵ月短縮)。下期(7〜12月)は乖離率マイナス4.55%(同0.08ポイント改善)、売却期間2.89ヵ月(同0.40ヵ月短縮)となった。乖離率がマイナス4%台となったのは05年の調査開始以来初めて。売出価格からの変動が最も小幅になった。平均売却期間が2ヵ月台になったのは、10年下期以来。
21年1年間で取引された物件を売却期間ごとに集計すると、1ヵ月以内に成約した物件が45.8%を占め、その価格乖離率はマイナス2.41%。1ヵ月以内に成約した物件のうち43.0%が値下げなく成約している。売出開始から3ヵ月以内に69.1%が成約し、価格乖離率はマイナス5.44%だった。売却期間の長短を問わず、価格乖離率は縮小傾向にあり、今回の調査では売却まで12ヵ月を要した場合の価格乖離率はマイナス9.44%と、マイナス10%を超えなかった。
同社は「売却期間が1ヵ月以内だった物件のシェアは前年よりも10ポイント以上拡大した。既存マンションを売り出せば約半数が1ヵ月以内に、しかも売出価格に近い価格で成約している。21年は都心エリアを中心に既存マンション市場が空前の売り手市場と言われたが、それを裏付けている」と分析している。
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