「わかる・伝わる」ハザードMのあり方で骨子案
国土交通省は29日、「ハザードマップのユニバーサルデザインに関する検討会」(座長:田村圭子新潟大学危機管理本部危機管理室教授)の4回目となる会合を開催。避難行動の判断等につながりづらい人や地図情報にアクセスがしづらい障害のある人に主眼を置いた「わかる・伝わる」ハザードマップのあり方についての骨子案等について検討した。同検討会のとりまとめを踏まえ、2022年度末に改定版の水害ハザードマップ作成の手引きを発表する。
骨子案は、基本的な考え方、アクセシビリティ、ハザードマップの理解度向上などの観点で整理。ハザードマップは、障害のある人たちにも等しく提供されることが基本で、「情報は印刷物やICTを活用し、すべての人がアクセスできる形式で提供するべき」とした。
自治体は手引きの記載事項の中から、独自に取捨選択し、シンプルで分かりやすいハザードマップを作成。印刷物、ICT、代替手段(点字・点図・音声案内)の媒体ごとに提供できる情報内容を整理し、「現在」「今後の推奨事項」「将来の目標」を記載する。自主避難行動の判断としては「『屋内安全確保』等の可否判断」「『立退き避難先』『避難経路』の選択」「避難行動開始タイミングの決定」がポイントとした。
JIS等、既存の基準やガイドラインを踏まえて、ウェブアクセシビリティへ配慮することも求められるとした。また、ハザードマップへの理解を深めるためには「地図面」だけでなく、「情報・学習編」も必要で、水害発生のメカニズムと怖さ、地域の水害リスク、ハザードの確認方法等を記載することを提案する。主な対象としている視覚障害者がアクセスしやすくなるよう、媒体ごとのハザードマップをシームレスに導くなどの工夫が必要と指摘した。
委員からは「ハザードマップ作成において自由度を持たせることによる影響が気になる」「地域コミュニティの中での避難活動がポイントになることから、前段で言及してほしい」「改定前の手引書には、どういった点が不足しているかについての言及があると、理解が深めるのでは」等の意見が挙がった。
12月に、障害者等がハザードマップの試行サイト等を検証する第2回ワーキング会議を開催。同会議で出た意見を踏まえた報告書案等について、23年2〜3月に開催予定の第5回検討会で議論する。3月末までに最終とりまとめを発表する予定。
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