復興まちづくりのための事前準備の着手率、65%に
国土交通省はこのほど、「復興まちづくりのための事前準備ガイドライン」に基づく取組状況の調査結果(2022年7月時点)を発表した。調査対象は、全国の都道府県および市区町村の1,788自治体。
これまでの大規模災害時に、基礎データの不足や喪失、復興まちづくりを担う人材の不足などにより、復興に影響が生じた経験から、防災・減災対策と並行して、事前に復興まちづくりの準備をしておくことが重要となっている。同省では、18年7月に同ガイドラインを策定。地方自治体が早期かつ的確に市街地復興を実現するための「事前準備」についての取組内容・留意点をとりまとめた。事前準備は、(1)体制、(2)手順、(3)訓練、(4)基礎データ、(5)目標の項目で分けている。なお、第5次社会資本重点整備計画では、復興まちづくりのための事前準備の着手率の目標として、25年度で75%としている。
今回の調査では、事前準備のいずれかの取り組みを「検討済み」または「検討段階である」と回答した自治体は1,154で65%となった。前年度比で3%上昇している。「検討していない」の回答は634自治体で35%。
(1)〜(5)の項目ごとの着手状況では、「検討済み」と「検討段階」をあわせて、(1)は60%、(2)は50%に。一方で、(3)〜(5)は「検討していない」が7〜9割弱を占めた。
エリア別でみる取り組みの着手率は、政令指定都市が85%、特別区が100%など、大都市において高い傾向に。また、南海トラフ地震の被害想定地域で72%、うち津波被害想定地域で88%、首都直下地震の被害想定地域で78%と、大規模災害の被害が想定される地域でも高い結果となった。
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