21年の既存住宅流通比率は全国41.6%
(一社)不動産流通経営協会が21日に発表した、2021年分の「既存住宅流通量の地域別推計」によると、21年の全国の既存住宅流通推計量は61万485件(前年比7.5%増)とコロナ前の19年を上回り、調査開始以来の最多を更新した。既存住宅流通比率についても41.6%(同0.6ポイント増)と新設住宅着工戸数の増加によって微増にとどまったものの、こちらも過去最高の比率を記録した。
法人・個人を問わず、売買により所有権移転が行なわれた所有権移転登記個数を、総務省の住宅・土地統計調査をベースに推計した「住宅ストック戸数」と、同省による固定資産の価格等の概要調書から算出した「非住宅ストック棟数」で按分し算出したもので、既存住宅流通量と新設住宅着工総数を合わせた全体の数値の中で既存住宅流通量の割合を算出し「既存住宅流通比率」とした。
地域別にみると、既存住宅流通推計量が最も多かったのは東京都13万5,000件(同8.0%増)。次いで神奈川県6万1,000件(同5.1%減)、大阪府5万9,000件(同5.3%増)となった。流通比率は兵庫県52.2%(同3.8ポイント増)が最も高く、次いで東京都50.1%(同1.5ポイント増)となり、2都県が50%を超えた。
東京23区は11万3,838件(同7.6%増)と増加したものの、コロナ前(19年)の12万戸超には届かなかった。流通比率は51.7%(同1.5ポイント増)で5年連続の5割超。法務局出張所の管轄エリア別では、墨田区・江東区が13万200件(同1.2%減)で最多となった。
首都圏では、千葉県柏市・我孫子市・野田市、東京都立川・昭島市・武蔵村山市・東大和市・国分寺市・国立市・日野市、埼玉県さいたま市・戸田市・蕨市で20%超の増加率を示し、東京都町田市、千葉県千葉市・習志野市、千葉県船橋市・八千代市などで2ケタ増を示しており、同協会では「コロナで話題になった首都圏内での需要郊外化の動きが数値となって表れた」と分析した。
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