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JARECO、「女性の活躍」テーマにカンファレンス

 (一社)日米不動産協力機構(JARECO)は7日、日本大学経済学部7号館(東京都千代田区)で総会およびカンファレンスを開催。
 総会では、2022年度の事業報告、23年度の事業計画が発表された。23年度は、22年度に続きシアトルへのホームステイプログラムを実施するほか、新たにアメリカからのホームステイを受け入れる。例年実施している中川雅之理事長(日本大学経済学部教授)を囲んでの研究会は、「予測不能な災害リスクへの備え」をテーマに、有識者を迎え月1回ペースで開催。また、新たに全米リアルター協会(NAR)の「ABR(認定バイヤーズエージェント)資格」の講座を開設する。なお、各種教育研修プログラムはZoomとのハイブリッドで実施するが、コロナ禍の収束を受け対面を原則としていく。
 総会後のカンファレンスには、NAR23年次期会長、トレイシー・カスパー氏やNAR日本大使の西川ノーマン裕子氏などアメリカからのゲストも参加した。今年のテーマは「不動産業界における女性の活躍」。冒頭、挨拶した中川理事長は「政府は、企業における役員の3割を女性とする目標を掲げているが、現実はずっと低い。女性が社会で活躍できないのは能力が低いとか、向き不向きの問題ではなく、結局のところ思い込みや慣習によるところが大きいと、私は考えている。今日のシンポジウムがそうした障壁を変える最初の一歩になればいい」などと挨拶した。
 ゲストとして挨拶したNAR次期会長のカスパー氏は「ダイバーシティは、アメリカでも重要なテーマ。NARのトップに女性が就くまで、アメリカでは115年かかった。日本も女性がリーダーに就けるような環境づくりにチャレンジしてほしい」などと参加者を激励した。また、NARチーフエコノミストのローレンス・ユン氏はアメリカの不動産市場について解説。コロナ禍が収束し右肩上がりだった取引件数が金利の上昇により再び減少傾向にあることや、商業物件取引も弱含みであるなどの現況を説明した上で「アパートの着工戸数増加は、インフレを落ち着かせる効果がある。23年の住宅取引は前年を下回るだろうが、インフレと金利が落ち着くことで24年には再び増加するはず」などと語った。
 続いて「不動産業界における女性の働き方」をテーマにしたパネルディスカッションを開催。カスパー次期会長、西川大使に加えRE/Max L‐Styleの不動産エージェントである小谷 真千子氏、ユーザーの住まい探しをワンストップでサポートするコンサルティングを得意とするスタイルオブ東京(株)の藤木賀子氏がパネリストとして参加。「私は不動産を売るとは考えず、自分を売ろうと考えてきた。正直に仕事をすることで、女性は活躍できる」(小谷氏)、「不動産取引の透明化を進め、フェアな市場にすれば女性はもっと活躍できる」(藤木氏)、「業界に従事する人たちが共に支え合い、新たな人材を業界に呼び込むことでマーケットは良くなる」(西川氏)、「お金を追わず、倫理を曲げず常に正しいことをして、お互いがリスペクトし合えば、ダイバーシティが実現する」(カスパー氏)など、女性がより一層活躍できる不動産業界にするための持論等を展開した。

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