国交省、マンション長寿命化に向けた環境整備へ
国土交通省は24日、「今後のマンション政策のあり方に関する検討会」(座長:浅見泰司氏=東京大学大学院工学系研究科教授)のとりまとめ案を公表した。同検討会はマンションそのものと居住者の「2つの高齢化」に対応するため、法制審議会との車の両輪として、マンションの管理・修繕・再生のための施策について総合的に検討するために22年11月の初会合以来、9回にわたって議論を重ねてきた。
とりまとめ案では、(1)管理・修繕に関する現状と課題、施策の方向性と、(2)建て替え等に関する現状・課題、施策の方向性について、検討方針等を盛り込んだ。 (1)では、マンションの長寿命化推進について、「すべてのマンションで建て替えを進めることは非現実的」と指摘した上で、長寿命化を進める観点での意思決定を行なう環境整備が重要だとして、「マンション長寿命化促進税制」の周知や、超長期の修繕計画についても検討すべきだとした。また、管理不全マンションへの対応として、区分所有者名簿等の更新の仕組みや地方公共団体の権限強化などについても検討すると共に、取扱金額が大きくなるなど独特の問題が発生する大規模マンションについては、その規模に見合った専門家を監査に起用する方向で検討を行なう。
(2)については、円滑な建て替え事業へ誘導するため、現行は原則50平方メートル以上とされている建て替え後のマンション住戸面積基準の引き下げについて検討していくことが示されたほか、団地型マンションの再生に向けてこれまでの施策活用状況や現行規制などについて実態把握が必要だとした。さらに、多様なニーズに対応した事業手法として、継続居住しない区分所有者の負担軽減や、隣接地・底地の権利者が建て替えに参加しやすい事業の仕組みについて検討していくなどとした。
今後については、検討方針が明らかになった内容について、今年秋ごろをめどに標準管理規約や管理計画認定基準、ガイドラインの見直しなどについて、ワーキンググループを設置して検討を進めていく。なお、次回の検討会は、ワーキングでの議論進捗の状況を踏まえて適宜開催する予定。
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