空き家対策への関心高まる/カチタス調査
(株)カチタスは28日、「空き家所有者に関する全国動向調査」の結果を発表した。7月10日、全国の空き家所有者1,000人を対象にインターネットでアンケート調査を実施。その結果を集計・分析した。今回で3回目。
所有する空き家の建物形態は、戸建てが70.2%でトップ。マンションが25.6%、アパートが11.3%などとなった。居住地から所有する空き家の所在地までの距離については、県外という回答が20.1%に達し、5人に1人が県外に空き家を抱えている実態が明らかになった。
空き家の取得理由は、「相続」が57.8%で最も多く、次いで「自ら取得」31.0%、「贈与」6.8%と続いた。取得経緯を年齢別に集計すると、「相続」で取得したのは、60歳代が66.5%、40〜50歳代が59.0%、20〜30歳代が49.1%と、年齢が上がるほど相続で取得する割合が高い。一方、「自ら取得」したという回答は、60歳代以上が26.5%だったのに対して、40〜50歳代29.9%、20〜30歳代は36.4%。同社では「若い世代は投資目的で自ら空き家を取得するケースが増えているのではないか」(同社執行役員営業企画・マーケティング本部本部長・森川 晶氏)と分析している。
空き家相続への意識は高まりつつあり、相続登記義務化について「知っている」と答えたのは44.2%で、21年の第1回調査(23.2%)から約2倍になった。また、空き家の相続について家族と対話をしたことが「ある」という回答も60.8%で、1回目の調査(33.3%)から、こちらも約2倍に増加している。
改正空き家対策特別措置法が施行される際に取るべき対策を聞いたところ、「売却する」が28.4%、「賃貸する」17.7%、「解体する」6.3%となった一方、「まだ分からない」という回答も46.6%と、約半数に上る。家族と空き家について対話したことが「ある」と回答した層で「まだ分からない」としたのは34.9%だったのに対して、対話したことが「ない」層では64.8%と大きな差が出るなど、家族との対話の有無が空き家対策に大きな影響を与えることが分かった。
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