“3畳物件”がZ世代にウケる⁉
近い将来、消費のメインターゲットになるとされている「Z世代」。物心がついた頃からインターネットに触れて育った「デジタルネイティブ」と呼ばれる世代で、「コストパフォーマンス(コスパ)・タイムパフォーマンス(タイパ)」「コト消費」を重視するなど、独自の価値観や消費行動を持つと言われている。この世代は、賃貸物件も独特の感性や基準で選んでいるようだ。
新宿や恵比寿、目黒など東京23区内の人気エリアの駅周辺で賃貸アパート「QUQURI(ククリ)」を展開する(株)SPILYTUS(東京都港区、代表取締役:仲摩恵佑氏)。ククリは「3畳ロフト付き」の物件が基本で、白い壁と平均3.6mの天井高を確保することで圧迫感を軽減。狭い分、家賃は周辺の相場より低く設定、オートロック、無料インターネット、洗浄機付きトイレなど快適に暮らせる設備も導入している。 「ほとんど家にいないので狭さは気にならない」「近所にコンビニがあるのでコンパクトな1ドア式冷蔵庫で問題ない」「入浴はジムで済ませるからシャワーで十分」「スマホがあればテレビは不要」などの理由から、「コスパ・タイパ」を重視するZ世代から支持されているという。
文京区を拠点に売買・賃貸仲介を手掛けるイーアス不動産(株)(東京都文京区、代表取締役:岡田裕之氏)は、2019年12月より「AWANAI賃貸」をスタート。オンライン完結で部屋を借りられる、その名の通り、不動産会社のスタッフと「会わない」で部屋探しができるというサービスだ。 入居希望者はLINEで「友だち登録」を行ない、専門のスタッフが条件に合う物件を紹介。入居審査に必要な書類などはLINEで送ってもらい、重説はオンラインで、賃貸借契約の締結と鍵の受け渡しは郵送で対応する。サービスをスタートした当初は、「オンラインで家探しが完結するなどあり得ない」との拒否感を示すユーザーが多かったが、「デジタルネイティブ」のZ世代を中心とした若い層からは「便利なサービス」を支持され、利用者の8〜9割が「友だちに紹介したい」という意向を示しているそうだ。
詳細は、(株)不動産流通研究所が発行する「月刊不動産流通2023年9月号」の特集を参照。同特集では、Z世代に支持されている賃貸物件を仲介・管理・運営する上記2社を含めた計6社の事例を紹介している。
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