新国土形成計画の推進へ「移住・二地域居住」を検討
国土交通省は6日、国土審議会推進部会の1回目の会合をリアル・オンライン併用形式で開いた。
同部会は、7月に閣議決定した新たな国土形成計画(全国計画)の推進に当たり、調査審議を行なうことを目的に10月2日の国土審議会において設置を決めたもの。同計画では目指す国土の姿である「新時代に地域力をつなぐ国土」を掲げており、地域課題の魅力向上を図る「地域生活圏」の形成を進め、地方への人の流れを創出・拡大につなげることがうたわれている。同部会では、その実現に向けて2023年度は「移住・二地域居住等の促進のための施策」を検討。その検討のために「移住・二地域居住等促進専門委員会」を設置することとした。
1回目の会合では冒頭、日本郵政(株)取締役兼代表執行役社長の増田寛也氏が部会長を選任。その後、事務局が国土形成計画に盛り込まれた移住促進についてポイントを説明した上で、同専門委員会の検討の方向性等について意見交換を行なった。出席した各委員からは「移住の前に二地域居住が重要になるが、課題はコスト。各地域が呼び込みたいのは若い人たちであって空き家の活用して低コストで住める場所を作るなど、具体的なモデルを作っていくことが望ましいのでは」「細かな施策の担い手は自治体になるが、人口減少で人口数万人を割り込むような自治体になるとできることが減ってくる。そうした意味でも『地域生活圏』の考え方は歓迎したい」などの声が上がった。
続いて、全国計画を基本として全国8圏域(東北圏・首都圏・北陸圏・中部圏・近畿圏・中国圏・四国圏・九州圏 ※北海道は北海道総合開発計画、沖縄は沖縄振興基本方針等がある)において検討が進められている次期「広域地方計画」について、事務局が概要や各圏域での検討の進捗について説明。今後の検討のポイント等について各委員が意見交換し、「人口減少やカーボンニュートラル、巨大災害への備えなど、これまでの延長線上で計画を作る段階ではない。地域の将来像を見越した計画が必要だ」「地域ごとに共通した課題もある。お互いに学び合いができるようする枠組みがあれば」「地域生活圏での産業間連携がカギになっていくのでは」などといった意見が挙がった。
今後、12月までに移住・二地域居住等促進専門委員会を2〜3回開催し、24年1月以降に2回目の同部会を開き、専門委員会からの報告を行なう予定。
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