不動産情報サイト事業者連絡協議会(RSC)は27日、「不動産情報サイト利用者意識アンケート」の結果を発表した。同調査は同協議会の加盟不動産情報サイトの利用実態とその推移を把握する目的で2003年から年に1度実施しており、今回が21回目となる。
3月16日〜6月19日(91日間)、同協議会ホームページや会員サイト、不動産情報サイト上で行なったオープン型調査。過去1年のうちに自身の住まいを賃貸・購入するために不動産物件情報を調べた(調べている)人を対象としたもので、有効回答数は974人。
不動産情報を調べるために使用したツールについて、スマートフォンの利用率が93.4%(前年比0.4ポイント上昇)と過去最高を記録。一方、PCの利用率は31.1%(同2.8ポイント低下)と、こちらは過去最低となった。世代別の利用率をみても、スマホは60歳代以上で利用率86.7%となったが、ほかの世代(20歳代以下〜50歳代)はすべて90%を超えるなど、あらゆる世代でスマホでの住まい探しが主流になっている様子がうかがえた。
物件を契約した人に対して、住まい探しから契約までにかかった期間を聞いたところ、賃貸では「1週間〜1ヵ月未満」という回答が46.5%(同5.9ポイント上昇)で最も多くなった。あた、3ヵ月以上かけたという回答は16.9%(同8.5ポイント上昇)と、直近5年で最も多くなったほか、1週間未満で契約したケースは10.8%(同2.3ポイント低下)と割合が低下した。
売買については、「1〜3ヵ月未満」が37.7%(同2.2ポイント上昇)で最多。今回の調査では「1ヵ月未満」での成約が15.6%(同3.4ポイント低下)と直近5年で最も低くなったのに加え、「6ヵ月以上」という回答が27.3%(同0.9ポイント上昇)と直近5年で最も多くなるなど、賃貸・売買共に検討期間の長期化傾向が出ている。
契約した人が検討時に問い合わせた不動産会社数は賃貸・売買合わせて平均3.1社(同0.1社増)となった。賃貸は2.7社(同横ばい)・売買は3.5社(同横ばい)とそれぞれ変化はなかったものの、売買では「1社」の割合が25.4%(同9.6ポイント上昇)と、絞り込む傾向が加速している様子がうかがえる。
同協議会では、「最初から物件や不動産会社を絞り込む動きがある一方で、検討は長期化している。コロナ禍では急いで住まいを決めるユーザーが目立ったが、アフターコロナで急いで探す必要がなくなり、価格や賃料の高騰も踏まえてじっくり検討するユーザーが増えているのではないだろうか」と分析している。
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