不動産鑑定評価におけるBIMの有用性を示す
(株)スターツ総合研究所およびスターツアセットマネジメント(株)は24日、(一財)日本不動産研究所(JREI)と共に進めてきた、BIM(Building Information Modeling)データの不動産鑑定評価における有用性についての共同実験の結果を発表した。
スターツグループでは事業計画・設計・施工・維持管理といった建物のライフサイクルを一貫してマネジメントできる「BIM-FM PLATFORM」を構築しているほか、ソリューションメニューの開発も推進している。その中でもBIMを活用した「建物の資産価値の判定手法の開発」は、今後BIMによるサービスを拡大していくためにも必須であると考えていた。一方、JREIは、不動産分野におけるBIMデータの有用性に着目し、建物評価の精緻化に関する取り組みの一環として、BIMデータを用いた評価手法について調査・研究を進めてきていた。
今回の実験は、BIMデータに基づく不動産鑑定評価書等を作成する方法の整理・検討・実践等を目的に実施。期間は2021年2〜7月。実験では、スターツプロシード投資法人が所有する共同住宅2棟のBIMデータをJREIに提供。不動産鑑定評価等を依頼した。その結果、鑑定評価の基礎となったバックデータの見える化、BIMデータの空間情報(区画・部屋)を基準とした各空間の収益性・経済的価値の算出、建物の個別性の鑑定評価への反映など、不動産鑑定評価の領域においてもBIMに一定程度の有用性が確認できた。一方、技術的ハードル、作業コストの増加、BIMによる建物マネジメントの鑑定評価額への反映手法の確立などが課題として挙がった。
スターツグループでは、今回の成果および課題を踏まえ、BIMデータを建物の投資価値(レーティング等)に反映させるスキームの構築などを引き続き検討していく方針。
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