ハワイの不動産市場、コロナ後は活況
(一社)日米女性ビジネスネットワーク協会(WBN)は21日、「パンデミック前後のハワイの不動産事情」をテーマにオンラインセミナーを開催。総合不動産会社「ハワイ5-0プロパティーズ」リアルターの一棟多代氏が、「ハワイの不動産事情−コロナ禍とその後の変化」について講演した。
同氏は、「コロナを境に不動産価格は急上昇しており、在庫数が少ないことも影響して、4月時点での中間価格値は、戸建てが約110万ドル、コンドミニアムが約51万ドルで推移している。成約に至るまでの日数も短く、不動産市場は活況」などと話した。コロナ禍において、内見時のバーチャル案内やビデオ会議スタイルが日常化してきたことにも触れた。
今後については、「金利の上昇」「在庫不足による販売価格の高値傾向」が続くと予想。賃貸物件の家賃値上がりにより、20歳代の若年層が新築コンドミニアムの購入を検討する傾向から、「マイホームを所有して将来の資産を形成しようという堅実な考えを持つ若年層が増えていくのでは」とした。「ハワイをリモートワークの拠点にしたい、リタイア後のセカンドライフを過ごしたいと、海外や他州からハワイへの移住を希望する人たちが集まる傾向も。ハワイの不動産は引き続き堅調に推移するだろう」(同氏)。
続いて、Bank of Hawaii International Banking Officerの早川佳孝氏が、コロナ禍によるハワイ経済への影響について講演。「ハワイは旅行、ホテルなどの観光業が基幹産業で、全体の25%弱を占める。コロナにより痛手を負った企業は少なくない」とした一方、「低金利のうちに家の購入や買い換えを進める傾向も見られる」とした。
今後の見通しについて、「ゴールデンウィーク以降、日本からの旅行者が増えつつあるが、コロナ前に戻るには3年ほどかかるだろう」と推測。「今回のパンデミックを機に、観光以外の基幹産業をいかにして育てていくかが課題」とした。
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