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「2023年 年頭挨拶」(各社)

三井不動産(株)代表取締役社長 菰田正信氏三菱地所(株)執行役社長 吉田淳一氏三菱地所レジデンス(株)取締役社長 宮島正治氏住友不動産(株)代表取締役社長 仁島浩順氏東京建物(株)代表取締役社長執行役員 野村 均氏東急不動産ホールディングス(株)代表取締役社長 西川弘典氏野村不動産ホールディングス(株)代表取締役社長 グループCEO 沓掛英二氏(株)長谷工コーポレーション代表取締役社長 池上一夫氏(株)大京 代表取締役社長 深谷敏成氏オリックス不動産(株)取締役社長 深谷敏成氏森ビル(株)代表取締役社長 辻 慎吾氏森トラスト(株)代表取締役社長 伊達 美和子氏東急グループ代表 野本弘文氏東急(株)取締役社長 ?橋和夫氏(株)西武ホールディングス代表取締役社長 後藤高志氏中央日本土地建物グループ(株)代表取締役社長 三宅 潔氏サンフロンティア不動産(株)代表取締役社長 齋藤清一氏三井不動産リアルティ(株)代表取締役社長 遠藤 靖氏東急リバブル(株)代表取締役社長 太田陽一氏住友不動産販売(株)代表取締役社長 竹村信昭氏三菱地所リアルエステートサービス(株)代表取締役社長執行役員 湯浅哲生氏東京建物不動産販売(株) 代表取締役社長執行役員 福居賢悟氏大和ハウス工業(株)代表取締役社長 芳井敬一氏積水ハウス(株)代表取締役社長執行役員 兼 CEO 仲井嘉浩氏積水化学工業(株)代表取締役社長 加藤敬太氏旭化成ホームズ(株)代表取締役社長 川畑文俊氏三井ホーム(株)代表取締役社長 池田 明氏トヨタホーム(株)取締役社長 後藤裕司氏パナソニック ホームズ(株)代表取締役社長 井上二郎氏住友林業(株)代表取締役社長 光吉敏郎氏ポラスグループ代表 中内 晃次郎氏 (株)LIXIL住宅研究所 代表取締役社長 加嶋伸彦氏(株)アキュラホーム 代表取締役社長 宮沢俊哉氏ケネディクス(株)代表取締役社長 宮島大祐氏大東建託グループ代表取締役社長 小林克満氏ハウスコム(株)代表取締役社長執行役員 田村 穂氏
■三井不動産(株)代表取締役社長 菰田正信氏
 謹んで新年のお慶びを申しあげます。  昨年は、過去2年以上にわたり翻弄されてきたコロナ禍から、ポストコロナに向けて大きく舵が切られた一年でした。ワクチンの効果やコロナウイルスの弱毒化により、水際対策の大幅緩和をはじめコロナに関する規制緩和が進み、経済活動は正常化に向かいつつあります。  経済面では、世界各国においてエネルギー価格や原材料価格の上昇など、インフレの急速な進行、各国の中央銀行の大幅利上げが実施されましたが、国内においてもコスト上昇は生じ、企業収益を圧迫、一般消費者の負担を増大させています。
 昨年は、米国における大規模開発プロジェクト「50ハドソンヤード」が竣工いたしました。今年は、「東京ミッドタウン八重洲」「ららぽーと門真・三井アウトレットパーク大阪門真」などが開業予定です。ポストコロナの街づくりにおいて、「出社したくなるオフィス」「訪れたくなる街」「五感で感動体験できるエンターテインメント施設」など、「リアル空間の価値」を追求するとともに、デジタルが適しているものに対しては徹底的にデジタル技術やデータ活用を進めてまいります。すなわち「リアル」と「デジタル」を最適に組み合わせることで、「働く」「遊ぶ」「暮らす」といった顧客の行動ごとに、不動産をモノとしてではなくサービスとして提供する「リアルエステート・アズ・ア・サービス」を進めてまいります。  そして、世界情勢や社会構造などの変化が激しい時代だからこそ、当社グループの中に多様性を包摂し、社会のニーズや価値観の多様化に的確に応えていくことが不可欠です。当社は、当社グループらしさや強みとなる企業文化を大切にしながら、異なる価値観やバックグラウンドを持つ人同士がそれぞれの意見や発想をぶつけあうことでお互いを高め合える職場づくりや人材育成、女性活躍を含めた「ダイバーシティ&インクルージョン」を実現してまいります。  最後に、気候変動の対応では昨年に引き続き、脱炭素社会の実現に向けてサプライチェーン全体を巻き込んだ各種施策に、これまで以上にスピード感とスケール感を持って取り組んでまいります。皆様のこの一年のご健勝とご多幸をお祈り申しあげます。
 
■三菱地所(株)執行役社長 吉田淳一氏
 2022年は、引き続き新型コロナウイルス感染症の流行はありながらも、外国人観光客受け入れが徐々に緩和されるなど、「ウィズ・コロナ」へのシフトが進んだ1年となった。他方、地政学リスクや世界経済の先行き不透明感は増しており、その中で経済や人々のくらしの変化は着実に進んでいる。こうした状況下だからこそ、中長期的な視点をもちながら、時代の変化を柔軟にチャンスに変えていける骨太の企業グループへの変革を目指し、持続可能な経営を追求していくことが一層求められている。
 当社の10ヵ年計画「長期経営計画2030」も4年目と折り返し地点に差し掛かっているが、個人のクオリティオブライフ向上と社会課題の発見・解決につながるまちづくりに向けたチャレンジが現場で進み、良い流れが起きている。直近では、常盤橋・有楽町において、地方連携をはじめ、アーティストなど多彩な人が集う多様性あふれるまちづくりが進んでいるほか、スマートシティ化の推進およびその基盤としての5Gなどのインフラ整備、DXによる体験価値向上の施策も深化している。
 2023年は、脱炭素の流れが更に加速することが見込まれる。当社グループにおいても「三菱地所グループのサステナビリティビジョン2050」「三菱地所グループのSustainableDevelopmentGoals2030」を掲げており、昨年は日本で初めてSBTネットゼロ認証を獲得した。建物全体の再エネ電力への切替は、当社グループだけでなく、入居テナント様のRE100達成に向けてもプラスになる取り組みであり、確実に進捗させていく。また、新事業やDXの推進を三菱地所グループ全体の横串として、よりスピード感もって取り進めていく。
 時代の変化に応じてまちをマネジメントしながら、多様なステークホルダーとともに魅力的な要素を盛り込んでいき、多様な来街者・生活者に寄り添った「共感できるまちづくり」を進めていきたい。
 
■三菱地所レジデンス(株)取締役社長 宮島正治氏
 2022年は、コロナ禍に加え、ロシアのウクライナへの軍事侵攻やサプライチェーンの混乱による世界的なインフレなど、社会や経済が混乱した激動の1年であった。その中において国内の新築分譲マンション市場は堅調で、利便性の高い都心物件の人気は引き続き高い。郊外においても、広さや間取りの多さが魅力となり、駅に近い大規模マンションが好調に推移している。当社においても都心では「ザ・パークハウス グラン 三番町26」、「ザ・パークハウス 広尾」、郊外では「ザ・パークハウス 横浜川和町ガーデン」などが特に多くの反響をいただいている。
 コロナ禍において住まいと向き合う時間が増えたことにより、「住み心地」に対するお客様の意識の高まりも強く感じている。資産としての住まいの価値に加え、引渡後のお客様の暮らしに寄り添い、その満足度を上げていくことも重要であると考えており、常にお客様から選ばれ続ける企業でありたいと考えている。
 2023年の住宅市場においては、住環境や建物の企画、品質に加えて、地球環境に配慮したマンションがさらに重要視されると考えている。 当社は、昨年1月に「CO2排出量削減戦略」を打ち出し、CO2排出量を 2030年までに2019年比で50%削減することを宣言した。当社では、太陽光発電パネルと高圧一括受電を組み合わせた創エネシステム「soleco(ソレッコ)」を2010年より導入しているほか、今後はマンション電力の非化石化、マンションのZEH化など、CO2排出量削減につながるようなマンションづくりを進めていく。また、住戸ごとのCO2排出量や水道光熱費のランニングコストを記載した「マンション家計簿」を購入検討者に配布するなど、お客様とともに地球環境について考えていく取り組みも継続し、バリューチェーン全体で脱炭素社会の実現に貢献する。
 
■住友不動産(株)代表取締役社長 仁島浩順氏
 新年明けましておめでとうございます。 昨年は、コロナ禍における行動制限緩和が進み、観光需要の回復など経済正常化が垣間見える一年となった。 こうした状況下でコロナから如何に立ち直るか、グループの皆さんが創意工夫し、一丸となって奮闘努力した結果、第九次中計の初年度は連続最高益の達成が確実な情勢だ。 一方で、世界的なインフレや金利上昇が国内にも波及し、10年続いた超低金利環境も変化しつつある。 「一寸先は闇」を実感する昨今、グループの「総合力」を発揮し力強い成長を実現すべく、それぞれが柔軟かつ独自の発想で課題に取組み、着実な事業推進を図ってほしい。 今年も一年間、明るく元気に頑張ろう。
 
■東京建物(株)代表取締役社長執行役員 野村 均氏
 2022年の業績も皆さんの努力のおかげで想定通り達成できる見込みであり、ここに改めて感謝申し上げる。 今年もコロナの影響は残ると思われるが、国内の行動制限や外国からの入国規制も緩和され、社会経済活動が通常の状態に戻りつつある。ただ、地政学リスクや世界的な金利上昇、物価上昇、円安持続など、先行きに対する不透明感が強まっている。 このような状況下、当社は2030年頃を見据えた長期ビジョン「次世代デベロッパーへ」を掲げ、事業を通じて「社会課題の解決」と「企業としての成長」をより高い次元で両立させることを目指している。今年は、2024年を最終年度とする中期経営計画の後半にかかる重要な年となる。 昨年は、オフィスや住宅のマーケットが比較的良好であった。しかし我々は単にマーケットの流れに乗っているだけでは今後の成長は難しい。先行き不透明な状況の中でも、物事ができない理由を一つずつ潰していけば道は開け、目標は達成できると考えている。
 当社は、1896年の創業以来、本社を構えている八重洲・日本橋・京橋のいわゆる「八日京(はちにちきょう)エリア」や「渋谷」などで、複数の大規模再開発事業の推進を行っている。私たちが推進する「まちづくり」においては、まちの歴史や文化、環境と調和し、そのまちにかかわる人びとやパートナーとともに持続的な成長を目指していく「サステナブルなまちづくり」という考えを大切にしている。 こうした「サステナブルなまちづくり」に関する考えや取り組みの発信を強化するため、昨年「DOforSustainability.with東京建物」プロジェクトをスタートさせた。当社は今後も「まちづくり」を通じて、「国際都市東京の競争力強化」をはじめ、「安全・安心な社会への貢献」、「価値共創とイノベーション」、「脱炭素社会の推進」、「循環型社会の推進」など、日本社会にさまざまな価値貢献をしていきたい。
 最後に、今年も引き続き東京建物グループ各社の社員一人ひとりが、当社グループらしさ、当社グループの良さを再認識、共有化し、自身の健康にも十分留意しつつ、日々の業務に取り組んでほしい。
 
■東急不動産ホールディングス(株)代表取締役社長 西川弘典氏
 皆様、明けましておめでとうございます。  新年を迎えたが、ロシアのウクライナ侵攻をはじめとする地政学上の不安定さや、為替変動やエネルギー価格の上昇等による物価高騰、日銀の政策変更等による金利の動きなど、世界経済はますます先が読みにくい状況になることが予想される。新型コロナウイルスの感染拡大も世界的に収束時期が見通せない状況が継続しており、国内では昨年末から第8波を迎えている。世の中の動きが当社グループの事業環境にどのような影響を及ぼすのか注視が必要だ。  そのような状況下だが、足元の不動産市場は良好な状態を継続している。コロナ禍は人々の働き方や生活スタイルの変化を加速度的に進めており、オンラインとオフラインの融合、都市と地方の在り方の変化など、場所や時間の概念が根本から変わり始めている。その中で新しい需要をいち早く捉え、お客様満足を得た企業は成長を加速させている。当社も「広域渋谷圏」の開発、「環境先進マンション」の展開、リゾート事業ではコロナ禍でも好調な会員制リゾートホテル「東急ハーヴェストクラブ」の新規物件開発、再生可能エネルギー事業や物流施設の展開など、不動産市場のニーズを的確につかみ、事業を加速していく。  当社は長期ビジョンで「環境経営」「DX」を全社方針として掲げており、環境経営、特に再生可能エネルギー事業では2022年11月末時点で開発中も含め94事業、一般家庭の約64.8万世帯分に相当する発電能力を持つまでに成長した。自社の発電能力を生かし、オフィスなどを再エネ電気へ切り替えるなど、「環境先進企業」を目指した取り組みを積極的に進めている。  DX分野では東急不動産の分譲マンション販売現場での「デジタルツイン」導入や、東急リバブルの「AIによるクラック画像診断技術」など新しい取り組みが生まれており、事業とデジタルをつなぐ人材「ブリッジパーソン」育成も進めている。各分野でのDX活用を本格化していく方針だ。  私自身、コロナ禍という非常事態の今こそ大きな改革ができるチャンスと捉えている。2023年もコロナ禍で起きた変化の本質をつかみ、未来への想像力を豊かに働かせ、当社グループの特徴でもある幅広い事業ウィングを真の強みに変えるためのグループ間連携の強化を進める。大きく変わる事業環境を注視しながら、当社グループは全体最適な事業体制構築を目指し、チャレンジし続ける組織風土改革も進めながら、健全な危機感を持ちつつ企業価値向上を図る方針だ。
 
■野村不動産ホールディングス(株)代表取締役社長 グループCEO 沓掛英二氏
 野村不動産グループは、2030年グループビジョン「まだ見ぬ、Life&Time Developer へ」を掲げ、昨年より新たな中長期経営計画をスタートしている。その実現に向け、本年より、年8%の高い利益「成長」を達成することが重要である。そのうえで、中長期のターゲットと位置付ける2031年3月期へ向けた「成長」の準備を着実に行う。 事業を取り巻く国内外の環境が大きくが変化するなかで、我々の不動産開発や不動産に関連するサービスマネジメント分野において、まだ見ぬ新たな価値創造を徹底して追求するとともに、成長分野を先見性を持って見極め、挑戦し続ける。 そして、成長著しいアセアン諸国を中心に、人口増や所得の大幅拡大により住宅・オフィス等への需要増が加速する海外におけるビジネスを、真の成長ドライバーとしていく。
 
■(株)長谷工コーポレーション代表取締役社長 池上一夫氏
 明けましておめでとうございます。
 昨年は、新型コロナウイルスの影響が残る中、ロシアのウクライナ侵攻とそれに伴う燃料高や資源高、中国のゼロコロナ政策などによるサプライチェーンの混乱など、激動の1年でした。また、年末には日本銀行による金融政策の修正発表がありました。当社グループの強みであるマンション事業にも大きく影響を与える可能性があるため、今後の動向から一瞬たりとも目が離せません。
 国内のマンション市場ですが、今年の販売戸数は首都圏で約3万2,000戸、近畿圏で約1万8,000戸と一昨年並みの水準に戻ると見込んでいます。なお、今年も平均価格の上昇傾向は続くと思われます。
 中期経営計画「NS計画」3年目となる今期も、連結経常利益850億円の期初目標の達成に向けここまでは順調に進捗しており、期末に向け追い込みを図ります。最終期2025年3月期の経常利益1,000億円と5年間累計経常利益4,000億円の目標達成に向け、長谷工コーポレーションにおいては工事受注案件の積み上げと着実な利益確保、グループ各社においては経常利益300億円の達成が必須です。
 また、2030年に連結経常利益1,500億円という長期ビジョン実現に向けて具体的な行動に移す時期になってきました。収益構造の大きな変革に向けて、建替・再開発事業、海外事業は更なる拡大を目指すとともに、グループ各社においては各社ごとの成長戦略と業務効率化へ積極的に投資し、DXによる新たな収益源を創出します。全社的取り組みである「DXアカデミー」は、各社から選抜した80名のメンバーに専門的な知識を身に着けてもらうフェーズ2が完了しました。各リーダーが学んだことを各社内に展開し、大きなうねりを起こしてもらいたいと思います。
 さて、2024年から災害復興などを除き残業時間規制が罰則付きで導入されることが決定しています。建設業界はかねてより他の産業と比べて残業時間が多いとされていますが、24年3月期までに現場作業所の4週8休は着実に達成させなくてはなりません。各部門が密に連携して2025年までに現場の生産性20%アップに向け取り組んでください。
 続いて統合報告書についてです。財務情報だけでなく非財務情報や中長期的な企業価値の創造に関して、幅広いステークホルダーへ向けて統合報告書を発行しました。長谷工グループとして脱炭素を中心とした気候変動対応の具現化にも触れています。TCFDへの賛同やSBT認定取得等一定の進展はありましたが、具体的な行動が伴っていなければ、ビジネス上も大きなリスクになります。全員が、脱炭素を意識していただきたいと思います。
 今年のキーワードは、“臨機即決(りんきそっけつ)”とします。四字熟語「臨機応変」と「即断即決」を掛け合わせた造語で、世界情勢や外部環境の急変に翻弄されることなく、柔軟かつスピード感をもって対処する。先行きの不安に恐れて縮こまるのではなく、積極果敢に成長に向けてチャレンジしながら、ひとたび環境が変われば素早く冷静に対処してほしいと思います。
 今年も皆さんと一緒に力一杯、明るく元気よく頑張っていきましょう。
 
■(株)大京 代表取締役社長 深谷敏成氏
 新年あけましておめでとうございます。
 昨年は、継続するコロナ禍に加え、不安定な世界情勢に伴うエネルギー価格の上昇、建築資材の高騰などにより、不動産業界は、難しい課題に直面しました。 今年も不確実性の高い状況が続くと考えていますが、今まで以上に立地と商品企画にこだわったものづくりができる力を組織として強化することで、お客さまのニーズに応える付加価値の高い住宅を提供していきたいと思っております。
 サステナビリティ推進においては、一昨年、オリックスグループの不動産事業部門として「サステナビリティ推進方針」を設定し、「脱炭素化」「環境配慮」「安全・安心・快適性」「地域共生」をテーマに積極的に取り組みを進めてまいりました。分譲マンション開発事業では、引き続き、原則「ZEH-MOriented」以上の省エネ基準を満たす仕様で開発を推進するほか、昨年より新たに「マンションギャラリーや建設現場の再エネ化」、「マンション全駐車区画のEV充電対応」、「室内の快適性向上に向けた大学との共同研究」など、取り組みを加速しています。 日本で一番多くのマンションを供給してきた企業として、開発・管理・流通のノウハウを生かし、環境性能の追求を続けてまいります。同時に、地域の活力向上を通じて、サステナブルな社会の実現に貢献したいと思っています。
 また、「DX」のテーマでは、業務プロセスの見直しと生産性向上に向けた取り組みを始めています。「サステナビリティ」と「DX」は事業の品質向上につながるチャンスとなりますので、これらを確実に推進することにより、お客さまの満足度向上はもちろん、長く皆さまに愛されるライオンズブランドを築いてまいります。
 皆さまの一層のご理解とご支援をお願い申し上げるとともに、本年が皆さまにとって実り多い一年となりますよう、心より祈念申し上げます。
 
■オリックス不動産(株)取締役社長 深谷敏成氏
 新年あけましておめでとうございます。
 不動産業界は、継続するコロナ禍に加え、不安定な世界情勢に伴うエネルギー価格の上昇、建築資材の高騰など難しい課題に直面しています。昨年は、オリックス・バファローズが、パ・リーグ連覇と26年ぶりとなる悲願の日本一を達成することができました。応援いただいたすべての皆さまに感謝申し上げます。「全員で勝つ」を貫いたチームの勢いを大事にして、我々の各事業におきましても全員でチャレンジを続け、飛躍の一年にしたいと思います。
 我々は、不動産事業における幅広い専門性とオリックスグループのネットワークを活用し、複合開発、オフィス、物流、ホテル・旅館開発など多岐にわたる事業活動を着実に行うとともに、サステナビリティ推進を加速してまいります。不動産事業部門では、一昨年に設定した「サステナビリティ推進方針」において「脱炭素化」「環境配慮」「安全・安心・快適性」「地域共生」をテーマに掲げ、特に「脱炭素化」においては、オリックスグループのGHG(CO2)排出削減目標に向けて、段階的に削減する計画を策定し、順次実行に移しています。施設の再エネ化や建築の評価認証の取得をはじめ、持続可能な社会に向けた活動を強化してまいります。
 本年は、事業活動を通じた社会課題の解決ということを念頭に、グループのさまざまなリソースを活用し「サステナビリティ推進」と生産性向上に向けた「DX」をさらに強化することで、不動産事業における新たな価値創造に努めていきたいと考えております。
 皆さまの一層のご理解とご支援をお願い申し上げるとともに、本年が皆さまにとって実り多い一年となりますよう、心より祈念申し上げます。
 
■森ビル(株)代表取締役社長 辻 慎吾氏
 2023年は、森ビルにとって大きな節目の年となる。いよいよ「虎ノ門ヒルズエリア」と「麻布台ヒルズ」が現実の街として、その姿を現す。これまで本当に長い時間をかけながら、全社一丸となって脇目も振らずに取り組み続けてきた森ビルの都市づくりを、広く世界に発信する時がきた。六本木ヒルズ級の街を1年で2つも誕生させるのは、森ビルの歴史上でも初めてのことだ。その大変さは我々の想像の範囲を遥かに超えるものになるが、森ビルであればやり遂げられる。
 森ビルは20年以上も前から「国際都市間競争時代の到来」を唱え、「都市再生による日本経済の復興」を提唱してきた。世界から人や企業、モノ、金、知恵を惹きつけるためには、経済だけの都市や職住分離の都市ではなく、あらゆる都市機能が徒歩圏内に集約されたコンパクトシティが必要だと考え、地元の皆さんと共に長い時間をかけて大規模な都市再開発事業を同時並行で推進してきた。そして、今や、多くの人々が、「都市間競争を勝ち抜くためには、都市再生が不可欠だ」と認識するようになっている。
 「虎ノ門ヒルズエリア」と「麻布台ヒルズ」を最高の形で誕生させ、軌道に乗せることができれば、森ビルの戦略エリアの国際新都心としてのポテンシャルが誰の目にもはっきりと見えてくる。周辺の再開発も加速し、国際新都心に相応しい企業や施設や店舗も増加し、エリア全体のレベルやステイタスが上がるだろう。そのためにも、まず、街を構成する各施設が最高のパフォーマンスを発揮したうえで、多岐にわたる施設や機能、多彩なパートナーをしっかりとつないで「街」としてのパフォーマンスを最大化する。さらに、様々なヒルズをビジネスでつなぎ、緑でつなぎ、文化でつなぎ、インフラやDXでもつなぐ。そうすることで、森ビルの戦略エリア一帯が世界を惹きつける東京の磁力となるはずだ。我々が描く国際新都心の形成シナリオは、東京の都市戦略とも重なり、日本の成長戦略にもつながっている。我々が背負う使命や社会的責任はとてつもなく大きいということを自覚しなければならない。
 これからも、森ビルらしく、やるべきことを着実にやり遂げることができれば、自力で未来を切り拓くことができる。大切なのは「どんな未来が来るのか」をただ想像するのではなく、「どんな未来を切り拓きたいのか」を自分の頭で考えること。そして、「未来は、自分たちの手で創る!」という気概と覚悟を持つことだ。今年は、これまでに経験したことのないような苦難やプレッシャーに直面すると思う。そんなときこそ、森ビルがなぜこんなに苦労してまで都市づくりを続けてきたのか、そして、2つの新たな街を世に送り出すことの社会的意義を思い出して踏ん張ってほしい。新たな街の誕生を笑顔で迎えよう。
 
■森トラスト(株)代表取締役社長 伊達 美和子氏
 新年明けましておめでとうございます。
 昨年は新型コロナウイルス感染症の影響を受けた日本経済が少しずつ回復傾向にあり、明るい兆しが見えました。一方、ウクライナ情勢や世界的な金利上昇などを背景に、日本国内では円安や物価上昇の影響を受けていたなかで、長期金利の変動許容幅が拡大されました。今後の金融政策の動向や先行きの不透明さが増す経済の諸問題について注視するとともに、安定成長のための経営基盤の強化の必要性を強く感じます。
 不動産事業では、オフィスの空室率上昇が一服しました。当社はかねてより「DESTINATIONOFFICE」をオフィスビジョンに掲げ、人々を惹きつけるオフィスの在り方を提案しています。計画中の「東京ワールドゲート赤坂」をはじめとした当社の旗艦物件では、コミュニケーションの活性化や快適性をもたらすオフィス、観光や文化発信の拠点を整備し、人々が集まりたいと思える「目的地」となる空間の実現を目指しています。 また昨年は、当社初のSaaS事業として、ワークスペース管理ツールを開発しました。オフィスが今後よりクリエイティブな場になることが求められるなかで、変化し続ける企業のあらゆる働き方をハード・ソフトの両面からサポートしてまいります。
 ホテル&リゾート事業では、入国制限撤廃により再び大規模なインバウンドの流入が期待されます。当社は、日本各地の都市部やリゾート地にグローバルスタンダードの外資系ホテルを誘致・開発する「ラグジュアリー・デスティネーション・ネットワーク」構想を掲げ、本年は「東京エディション銀座」、「紫翠ラグジュアリーコレクションホテル奈良」の開業を控えています。日本各地の文化や歴史、自然を堪能できる滞在環境を整備することで、世界の旅行者から引き続き選んでいただけるよう尽力し、日本の観光立国化に貢献いたします。 また、将来世界の旅行者数は2019年の水準を超えてさらに増加することが予想され、「持続可能」な観光産業を育成する必要があります。事業者としては足元の原材料の高騰や将来的な日本の人口減少による人材不足などの事業継続リスクを見据えた経営が求められています。当社は、より付加価値のある商品の創出や観光DXの取り組みを通して課題解決を図り、生産性向上を目指します。
 コロナ禍では、デジタル技術が進歩するなど、これまでの常識に一石が投じられ、既存の物差しでは測れないビジネス環境へと変化したほか、金利、為替、物価上昇などの金融経済をとりまく環境も転換期を迎えています。当社はこのニューノーマルな時代を、新たな価値を再定義できるチャンスだと捉え、未来を先導するディベロッパーとして、次代を見据えた事業を推進する「リスタート」の一年にしたいと考えております。
 
■東急グループ代表 野本弘文氏
 グループ各社で年末年始に大きな事故もなく、無事に新年を迎えられたことを喜びたいと思います。各社の皆さん、特に現場の皆さんの努力に感謝します。
 昨年は、ロシアのウクライナ侵攻の影響や、記録的な円安、それらに起因する資源・エネルギー価格の高騰など、激しい変化の年でした。また、なかなかコロナ禍も収まらず、コロナとうまく付き合いながら経済活動を行う風潮が定着しつつあり、人流も一定の回復を見せ、インバウンドもようやく戻ってきています。とはいえ、足元では第8波による再びの感染増加も見られるので、しっかりと状況を注視しながら対応して欲しいと思います。 そうした中、昨年9月2日に東急グループ100周年を無事に迎えることができました。多くの皆さまに支えられてきたことに改めて感謝する機会でした。これからもお客さまの期待に応えるべく、しっかりと事業経営にあたっていただきたいと思います。
 今年は、東急グループの大型プロジェクトが複数開業を迎えます。鉄道では、東急新横浜線が3月にいよいよ開業し、14路線の広大なネットワークが形成されます。東海道新幹線の乗降駅である新横浜と東急線が接続することで関西方面へのアクセスも格段に向上します。そして、羽田空港へのアクセスラインとしての新空港線も昨年第3セクターが設立され、計画も具体的になってくると期待しています。 また4月には、新宿の東急歌舞伎町タワーが開業します。既に注目を集めていますが、エンターテインメント領域において、しっかりプレゼンスを発揮していきたいと思います。渋谷では、桜丘口地区再開発事業が来年度の竣工に向け大詰めを迎えています。また、東急百貨店本店は1月に閉店となりますが、2027年度には商業、ホテル、レジデンスに、文化芸術を融合させた世界に誇る渋谷の新しいランドマークに生まれ変わるものと期待しています。その他、各地で多くのプロジェクトが進行していますが、次の100年の成長に向けしっかり推進してください。
 東急グループが101年目という新たな年を迎えるにあたって、三つのサステナブルについて今一度お話しします。 一つ目がサステナブルな企業づくり、企業の最大の使命は「社会に役立つ、必要とされるコトを、事業化つまり付加価値を創造して、継続することが第一である」と思います。事業化することが大事であり、しっかりと利益を出さなければ、会社の成長も継続できません。利益は目的ではなく、成長、継続するための「コスト」であります。それらを生み出すためにも、しっかりとお客さまから選ばれ、支持され対価をいただけるような商品・サービスを創造しなければならない。企業としてサステナブルに成長し続けることで、社会に価値を生み出し続けるということを意識していただきたい。
 二つ目は、サステナブルなまちづくり、まちづくりに欠かせないのが「文化」です。文化とは、高尚な芸術に限るものではなく、大衆文化やエンターテインメント、企業文化もありますが、人々が継続・継承させたいと思うものが文化であると私は考えます。人口減少など構造的課題を抱える日本が国際競争力を高めるためにも、文化の持つ力を生かしていく必要があります。五島昇会長もかつて「その国独特の文化があり、その文化が世界から受け入れられ尊敬されることで、尊敬される国になれる。軍備ではなく、文化で国を守ることができる」ということを言っています。100年前も100年後も、人間が文化的要素である「楽しさ」「豊かさ」「美しさ」を求めているということは変わりません。特にすべてに満ち足りた世の中においては、人がどうしたら動くか、その動機となるのはそういった心を動かされるものです。それを私たちは提供するということを忘れないで欲しいと思っています。また、現在はプラットフォームの時代、次に来るものは何かと考えていただきたい。私はプラットフォームの次は「コト」と「時」が来るのではないかと思っています。したがって、あらゆる事業において、文化と事業を組み合わせることで、新たな付加価値を生み出した商品・サービスを考え、マネタイズする仕掛けが重要となってきます。東急グループがサステナブルな成長を続け、「国際文化都市東京」そして「文化大国日本」の一翼を担う存在となることを願っています。
 三つ目のサステナブルな人づくり。皆さんの仕事で一番大事なことは「ビジョン・理念をしっかりと示し」、従業員にわかりやすく「伝え」「共感させる」ことです。そのために何を自分がしないといけないかを明確に考え、構築することが大事だと考えています。リーダーシップを発揮し、次の100年に向けた1歩を着実に進めてください。
 
■東急(株)取締役社長 ?橋和夫氏
 各事業の第一線で勤務している現場の皆さんが、年末年始も変わらず取り組んでいただいたおかげで、大きな事故もなく、こうして新年を迎えられたことに感謝したいと思います。
 まず、毎年、年頭に申し上げておりますが、「安全・安心」について触れたいと思います。「安全・安心」は当社事業の根幹であり、お客さまが東急ブランドに寄せる「信頼」の源泉であるということです。すべての事業、会社の活動において、企業価値および我々のブランド価値を守り続けるためには、必要不可欠です。すべての事業において本部と現業が一緒になり、より一層のコミュニケーションを強化し、各施策を確実に遂行していただきたい。
 さて、2022年を振り返りますと、ロシアによるウクライナ侵攻は依然として続いています。それに伴う原油や穀物類などの高騰は、当社にも大きく影響を及ぼしており、予断を許さない状況が続いています。その中でも昨年10月以降は新型コロナウィルス感染症の水際対策でもあったインバウンドの受け入れが緩和されたことに伴って、少しずつ、以前の状態に近づきつつある状況かと思います。したがって、経営計画2年目、当期の業績見通しに関しては、各事業全体の努力もあり、外的なマイナス要因を吸収し、目標を達成できる見込であります。加えて、環境ビジョンの公表に合わせて目玉施策として実施した実質再生可能エネルギー100%電力での鉄道運行やnexus構想の具体化、変革プロジェクトの本格化着手をはじめとする各種施策を具体的にスタートさせた年だったと思います。
 本年、2023年についてですが、OECDが発表した最新の予想では、主要先進国は2022年と比較して実質経済成長率を2.2%と減速する中で、日本は1.6%から1.8%と同程度としています。加えて、インフレ率については、G20の23年は6%であるのに対し、日本は2%としています。いわゆる経済不況と物価高が同時に起こるスタグフレーションが継続するという見方でしょう。そうした中で、本年を代表する2つの大きなプロジェクト、3月の東急新横浜線の開通と4月の東急歌舞伎町タワーの開業があります。東急新横浜線は39年ぶりの新線開業であり、新横浜駅は23年ぶりの新駅開業でもあります。一方で、東急歌舞伎町タワーは2023年のヒット予測でもオールエンタメ超高層ビルとしてランクインするなど、いずれも既に高い注目を集めている事業です。お客さまをはじめ、各ステークホルダーの皆さまの期待に応えるべく、開業まであとわずかですが、最後まで安全面に十分に配慮して準備を進めてください。
 昨年は「100周年の年」でしたので、100年企業の特徴について話します。「不易と流行を合わせ持っている」、「独自の使命が明確に言語化されている」、「社員を大切にしている」、「世の中、地域への貢献を実践している」、「リスクに備えている」どれも私たちが常に大切にしている価値観であり、行動であります。「リスクに備える」について触れますが、ここ4、5年を見ても、当社の経営に大きく影響を及ぼした想定外の事が直接、間接を問わず、しかも非連続的起きているのも事実です。例えば、大規模自然災害であったり、コロナ禍であったり、米中の分断、ウクライナ戦争などであります。 そういう意味でも「リスクの備え」はもう一度、再点検をお願いします。上位職になればなる程、その責任範囲、守備範囲を常に俯瞰的に見て、小事に翻弄されることなく、自身の役割と部下に任せる部分を明確かつダイナミックに運営し、突発的な有事の際でも、しなやかにレジリエンス回復できるように、常に余力を持って業務にあたっていただきたいと思いますし、私自身もそうありたいと考えております。 最後になりますが、本年も必ず良い年になると確信しておりますので、まずは明るくそして楽しく、東急社員としての誇りと矜持をもって、この一年共に事業を進めていきましょう。よろしくお願いします。
 
■(株)西武ホールディングス代表取締役社長 後藤高志氏
 皆さん、あけましておめでとうございます。2023年については、社会経済情勢、あるいは内政、外交、安全保障等、先行き不透明な1年になることが想定されている。あらゆるリスクに対する耐久力「レジリエンス」と持続的な成長「サステナビリティ」を確立するために、以下の3つをスピード感を持って力強く前へ進めていく。
 (1)「観光大国のフロントランナー」としてリードしていく。  コロナは必ず収束する。アフターコロナを見据え、日本は成長戦略の大きな柱である、観光立国、さらには観光大国の道をもう一度力強く、スピード感を持って歩む必要がある。西武グループはそのフロントランナーとして、日本の観光大国をリードしていく。
 (2)DX人材の育成。将来に向けての持続的な成長を達成。 コロナ禍以降、経営改革、デジタル経営、サステナビリティの3つの項目をスピード感を持って進めてきた。経営改革は、アセットライトや損益分岐点比率の引き下げ、さらには、行動変容・価値変容を踏まえた、ニューノーマルに対する対応を進めてきた。デジタル経営においては、今年は日本も世界もさらに勢いが加速することは間違いない。西武グループは、デジタル経営に向けて人材の育成にしっかり取り組む。サステナビリティは、脱炭素や環境保全等、さまざまな課題がさらに浮き彫りになっている中で、しっかりと将来に向けての持続的な成長を達成していく。
 (3)「はたらく人を、ほほえむ人へ。」 西武グループのスローガンである「でかける人を、ほほえむ人へ。」と同時に、「はたらく人を、ほほえむ人へ。」ということをしっかりと確立していく。西武グループで働いている一人ひとりが、今まで以上にほほえみが増すように、組織の風通しを良くして、一人ひとりの働きがいと生きがいを高めていく。そのための投資にもしっかり取り組む。
 
■中央日本土地建物グループ(株)代表取締役社長 三宅 潔氏
 今年は大きな環境変化の中で、働き方や住まいに対するニーズがより多様化・個別化し、脱炭素社会の実現に向けた潮流も具体的な実行フェーズへと力強く動き出す一年。社会動向やお客さまのニーズを見極め、個々の課題に一つずつ丁寧に対応していくことが一段と肝要となる。
 当社グループでは、虎ノ門、内幸町、田町、淀屋橋の4か所で手掛ける大型開発が、次のステップへと進む一年になる。グループの企業理念に掲げる「共創」のスタンスで、すべての事業に取り組む。DXの積極推進に取り組み、高水準の環境性能を備えた街づくりを通じて、お客さまや地域社会をはじめとするステークホルダーの皆さまにサステナブルな価値を提供していく。
 景気はどこを見るかによって景色が変わる。「未来を共創する。」というコーポレートスローガンのもと、足もとの景気動向に一喜一憂せず、明るく前を向いて、グループ一丸となって進む一年としたい。
 
■サンフロンティア不動産(株)代表取締役社長 齋藤清一氏
 明けましておめでとうございます。 2022年は新型コロナウイルスの感染拡大による混乱に漸く落ち着きが見られた一年となりました。新たな変異株による感染再拡大により夏場までその影響が見られたものの、10月に「全国旅行支援」や海外からの個人旅行解禁など行動制限の緩和措置がとられ、観光や飲食等を中心に急速な回復が見られました。一方で、グローバルサプライチェーンの乱れに加え、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を契機とした原油高が拍車をかけ、世界的な高インフレに直面しました。それらを踏まえて米国FRBが急ピッチな利上げを行なった結果、為替市場における急激な円安が続き、輸入物価高騰の影響もありました。また年末には日銀による金融緩和政策の一部修正が行われました。金融面の影響を比較的受けやすいといわれる不動産業において2023年は市況の変化を注視しつつ、変化に対して機敏かつ柔軟に対応することが求められます。当社グループの主幹事業であるオフィス事業を展開する東京都心オフィス市場では、平均空室率は横ばい、平均賃料は下落基調が続きました。2023年は大型の新築オフィスビルの大量供給が予定され、需給面で注視が必要な事業環境が継続すると予想されます。 このような環境下、当社グループは2025年3月期を最終年度とする中期経営計画を推進しております。本年はその達成に向けて橋頭堡となる重要な年であると捉えております。基本方針である「人が集まり、心を通わせ、社会の発展と人々の幸せを創出する場を提供していく」のもと、既存事業において盤石な体制を整えるとともに、現行中計の達成はもとより、その先の持続的な成長に向けて、環境・蓄電池事業をはじめとした新たな事業領域へも果敢に挑戦してまいります。成長の鍵は、やはり人財です。当社グループは創業来、人が主役となる理念経営を続けており、「人財育成こそが経営」の信念は今後も変わりません。成長は常に追い求めるものですが、それは決して目的ではありません。事業を通して人が成長し、世の中に大きく役立つこと。その結果として企業も社会も繁栄する。そのような企業グループであることを志してまいります。 本年はより厳しい事業環境になると予想されます。しかしながら、そういった環境下であるからこそ、社会やお客様に役立てるチャンスの年でもあり、また我々自身が力をつける絶好の年であると考えております。未来に夢を馳せ、世に役立つアイデアを楽しみながら構想し、社会的価値を追求する企業グループを目指し本年も精一杯取り組んでまいります。皆様にとりまして、素晴らしい一年となりますことを心より祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。本年もご愛顧のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
 
■三井不動産リアルティ(株)代表取締役社長 遠藤 靖氏
 年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
 昨年、当社は新生三井不動産リアルティ誕生から10周年と節目の年を迎えました。新型コロナウイルス感染症の影響を受けながらも堅調なマーケットに支えられ、各事業の業績は概ね順調に進捗し、2022年3月期には過去最高益、また全国売買仲介取扱件数36年連続No1を達成しました。
 日本の景気の現状は、新型コロナウイルス感染症抑制と経済活動の両立が進むもとで持ち直していますが、今後様々なリスク要因により、今後の日本経済を巡る不確実性はきわめて高いと考えています。
 そうした中、「ともに、その先の未来へ。」をコーポレートステートメントに掲げ、お客さまに提供するサービスにより成り立つ当社にとって、お客さま満足度の向上は恒常的な課題であります。
 本年は、お客さまへより質の高いサービスを提供することに全社一丸となって取り組み、「三井のリハウス」「三井のリパーク」「カレコ・カーシェアリングクラブ」を今まで以上に信頼されるブランドに育てていく所存です。
 最後になりましたが、本年も皆さまの一層のご理解とご支援をお願い申し上げるとともに、本年が皆さまにとって実り多い一年となりますよう心よりお祈り申し上げます。
 
■東急リバブル(株)代表取締役社長 太田陽一氏
 新年あけましておめでとうございます。 年末年始のまとまった休暇中に未完了だったことを片付けて身軽になったり、家族や友人との時間を過ごすことで、新たなエネルギーと決意をもって新春に臨まれた方も少なくないのではないでしょうか。特に世の中では、感染症や戦争、インフレといった危機的な環境を引きずる2023年だからこそ、新春を迎える意味を感じて明るく元気にスタートしていきましょう。
 昨年来、不動産業界を取り巻く好環境の中、事業機会を捉えて好実績を続けています。社員の皆さんの役割に応じた機転と行動の成果であると実感しています。
 今後の成長に向けて定めた目標に向かっていくためには、計画をしっかりと進めるという思いを持って行動することが必要です。社員の皆さん一人ひとりが、自身の目標に落として状況をチェックし、課題解決に取り組んでPDCAを回すことがその一歩となります。結果も目標に紐づいたプロセスもどちらも重要です。 そして、会社として、事業の数量にとどまらず、働きがいやお客様評価にもしっかりと取り組んでいきます。
 当社の持続的な成長と変革にむけて「情報を捉え・活かす」ためには、闊達なコミュニケーションとチャレンジングな行動が欠かせません。多くの人の行動や意見を知って思いを伝えること、そして現状に力を尽くしながらも変化を察しスピーディにチャレンジすること。それが持続的な成長のエネルギーとなります。
 2023年が新たなステージへ進化する年となるよう共に頑張りましょう。
 
■住友不動産販売(株)代表取締役社長 竹村信昭氏
 新年明けましておめでとうございます。 昨年はウクライナ戦争を含め国内外の環境が激動した年でしたが、底堅い不動産市況に支えられ、当社は良好な業績を積み重ねています。 一方来期は、インフレや金利上昇など数十年ぶりの要因が、どう影響を及ぼすか見通しにくいスタートになります。このような時期にこそ環境の如何を問わず、基本に忠実に業務を行うことが大切です。以下を心掛け、しっかりと仕事を進めてください。 第一に、経営方針である「顧客第一主義」を念頭に、大手企業にふさわしいサービス提供を心掛けてほしい。不動産仲介業はライバルの多い業界ですが、その中でお客様に選別して頂くには、お客様の期待に誠心誠意応え、顧客満足を積み重ねていくほかありません。 第二に、常に新しい仕事はないか、やり方を改善できないか考え、実行してください。お客様のニーズは多様化が進み、当業界におけるデジタルテクノロジーの進化は速くとどまる事を知りません。時代に合わせて当社も常に進化していくことを意識して下さい。 今年も皆で力を合わせ、頑張ってまいりましょう。
 
■三菱地所リアルエステートサービス(株)代表取締役社長執行役員 湯浅哲生氏
 新年おめでとうございます。 昨年もコロナ禍での活動となりましたが、繰り返しの波を受けつつもウィズコロナが多方面に浸透し、緩やかながら社会経済全般に亘って、地に足が着き始めたことを実感できた1年だったと思います。 企業の業況感も、反動的需要や国内投資回帰、インバウンド期待等を織り込む形で6カ月連続で持ち直しのベクトルとなっていますが、引き続きコロナ禍対策に依拠したイレギュラーな効果に加え、ウクライナ戦禍の長期化に伴う高インフレをはじめ、多岐に亘っての負の影響が錯綜的に混在しており、この先、潜伏の要素が顕在化して行く道筋や絵姿については、これまで以上に何とも見通し難い環境にあるという点を肝に銘じておく必要があると思います。
 1年前、各国のテーパリングの巧拙と連携の具合如何による不況懸念について触れましたが、今や日銀も政策転換に踏み出す段階に至っており、今後のランディングの硬軟に従って、既に在るスタグフレーション的な実影響のレベルが定まってくることになります。再度中国による供給網混乱の重なりも大変心配されます。当面、戦略や施策面、情報収集やリレーション等あらゆる観点で事態の変化に備えておくことが肝要です。
 不動産業界についても、とりわけ金利及び為替の動向を注視しなければなりません。 流動性過剰を背景に国内外の条件差や日本が持つ綜合性の評価等が加わり、結果的に内外活発な投資ニーズが喚起され、堅調なマーケットが持続されてきましたが、既に一部にマインドの委縮や潮目の変調が散見される中、今後は用途を超えて縮小のバイアスがかかってくるものと思われます。各国の政情や地勢的要因による突発や激変の見定めは至難ですが、足元に於いてはとにかく、負の対抗軸として先程上げた、一部セクターによる投資や消費への波及レベルと期間を、随時見極めて行くことに集中する必要があります。当社も各部門のサービスを通じて、当社の見立てを着実に且つ先んじて提供して行く、この構えと行動を徹底して行きたいと思います。
 当社の足元の業況については、ここまでは目標ラインに沿った結果が出せており、改めて皆さんの活動に感謝を申し上げたいと思います。但し、期末に目標を達成し、更に今年1年を乗り切って行くには、単にこれまで通りというわけには行きません。眼前に在る多くの懸念材料や困難な環境の動向に対し、緩まず遅れずの構えを堅持し、機敏且つ的確な判断と行動に徹する、つまりアジャイルな活動スタイルに拘りながら対処して行かなければなりません。
 予測困難で容易ならざる1年がスタートしますが、具体の拠り所に集中し、一致団結で乗り越えて行きたいと思いますので、どうぞ宜しくお願いします。
 
■東京建物不動産販売(株) 代表取締役社長執行役員 福居賢悟氏
 昨年は、2月のロシアによるウクライナ侵攻という想定外の出来事から始まり、その影響を受けて資源高や食糧不足が深刻化し、世界中で急激なインフレが進行した。一方で新型コロナウイルスについては発生から約3年が経過し、感染者の発生は続いているものの、いわゆるwithコロナの「新しい生活様式」が定着してきたように感じる。そうした中、当社の業績は順調に推移し、一昨年に続き過去最高益を更新する見込みである。役職員一丸となって、部門やグループ会社間の連携に努めた結果であり、皆さんの頑張りに改めて敬意を表する。
 本年は、世界的な景気の後退懸念や日銀の金利政策の変更など先行き不透明な状況下のスタートとなるが、不動産流通に携わる企業として、環境変化を機敏に捉えてお客様のニーズに的確に対応するとともに、脱炭素社会に向けた取組みなど社会的な課題の解決に取り組んでいくことがより重要になってくる。
 仲介事業・アセットソリューション事業・賃貸事業の連携をより深め、東京建物グループだからこそ実現できる付加価値を提供することにより、「社会課題の解決」と「企業としての成長」をより高い次元で両立させることを目指していく。
 
■大和ハウス工業(株)代表取締役社長 芳井敬一氏
 昨年は、新型コロナウイルス感染症対策とともに社会経済活動が再開し、日本経済における回復の兆しが見えた年となりました。当社では、第7次中期経営計画の初年度となる2023年3月期の第2四半期決算において売上高が過去最高を更新する結果となり、グループ社員全員の底力を実感する一年となりました。心から感謝しています。
 一方で昨年から続く資材価格の高止まりをはじめ、エネルギーの供給不安や日銀の金融緩和修正など、国内外には先行き不透明な要素も混在しています。このような2023年の年頭にあたり、皆さんにお伝えしたいことが三点あります。
 一つ目は、“将来の夢”です。昨年5月、企業のあるべき姿として、大和ハウスグループのパーパスである“将来の夢”―「生きる歓びを、未来の景色に。」を策定しました。これは「2055年に私たちが創り出したい社会」と「大和ハウスグループの果たすべき役割」を示しています。当社は創業以来3,000万人以上のお客さまと出会ってきましたが、このお客さまとともに生きる歓びを分かち合える世界を実現できるよう、しっかり理解し、自ら実践してください。
 二つ目は、「旅」です。私は時間を見つけては、自分で全てを手配して一人旅に出かけていますが、旅での経験は新たな発見や気づき、そして出会いを与えてくれます。当社グループにおいても第7次中期経営計画という5年間の旅路が始まりました。各事業本部や事業所、そして皆さん個人が目標をたて、その達成に向けて努力されていますが、そのなかで経験する様々な出来事は、必ず自分たちの成長へとつながります。この経験を糧として日々業務に邁進してください。
 三つ目は、私の今年の一文字「遵」です。改めて襟を正す一年にしたいと思います。当社では近年、コンプライアンス強化に努めており、皆さんにも様々な取り組みを実施いただいていますが、まだ不十分な点も見受けられます。ルールの遵守なくして企業の成長はありません。法令や会社の規則はもちろん、お客さまとの約束など、あらゆる決めごとを遵守してください。
 最後に、当社を取り巻く事業環境は変化を続けており、年々そのスピードを増しています。しかし、当社において変わらないものは創業の原点である「社会の役に立つ事業の展開」です。この創業者精神を行動の規範とし、皆さんのさらなる飛躍の一年となることを期待しています。
 
■積水ハウス(株)代表取締役社長執行役員 兼 CEO 仲井嘉浩氏
 新年、あけましておめでとうございます。
 昨年は、新型コロナウイルスの感染拡大、ウクライナ侵攻、資材価格高騰、物価高など社会情勢が目まぐるしく変化した年でした。非常に難局ではありましたが、無事に乗り越えることができ、2022年度は、過去最高の業績と第5次中期経営計画の3ヵ年合計も当初計画を上回る予定です。
 現在、日本の住宅ストックは、耐震性や断熱性が低いといった住宅の質の部分で、まだまだ多くの課題を抱えており、国も良質な住宅ストックの形成に本格的に舵を切り始めました。当社グループは今まで黙々と住宅に関する技術研究を重ねてきました。先人たちが築き上げた最高の品質と技術と顧客基盤をベースにし、グループ全体でストックの価値向上に努め、さらに、新しいソフト・サービスを加えることにより、安定成長に繋げていきます。 また、海外においては工業化住宅といったビジネスモデルはありません。今、世界が積水ハウスの住宅に関する技術やマーケットインの商品づくりに注目しており、海外戸建て1万戸を供給するビジョンを実現したいと考えています。
 成長のためのドライバーは人財価値の向上です。その価値は、「社員のキャリア自律×ベクトルの一致」で計ることができると考えています。これは“かけ算”なので、どんなに自律した優秀な個人であっても、一人だけ違う方向を向いて仕事をしているなど、組織がめざすベクトルと合っていなければ、組織にとっての人財価値は、“ゼロ”にしかなりません。 「ベクトルの一致」のキーパーソンはリーダーです。会社のビジョンや組織・事業の戦略を、伝道師として伝え、波及させていくインテグリティの高いリーダーの存在が不可欠です。「キャリア自律」とは、各々の社員が積水ハウスグループという資源を利用しながら、自らのキャリアを一つひとつ形成していくことです。社員一人ひとりが、環境変化に適応しながら主体的に行動し、継続的にキャリア開発に取り組むことを期待しています。
 そして、これからも合言葉として大事にしていきたいのは、「イノベーション&コミュニケーション」です。イノベーションとは、お客様に幸せという価値を提供することだと考えています。そのためには活発なコミュニケーションが必要です。いろいろなアイデアをもとにコミュニケーションをとることで、新たな展開が生まれ、お客様が幸せになり、会社が成長し、社員が素晴らしいキャリアを形成していくと確信しています。
 最後に、当社グループを取り巻く社会環境は今まで以上に激しく、かつ労働力不足の時代が到来します。この環境変化に適応するために「DX」は必要不可欠ですが、同時に、相反するようですが、美しいものは美しいと感じることができる「感性」も忘れてはならないと思います。先人たちが培った「信頼」と「技術」に、「DX」と「感性」を加えることでNEXT積水ハウスを構築していきます。
 
■積水化学工業(株)代表取締役社長 加藤敬太氏
 新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
 昨年は、半導体不足の継続、新型コロナウイルスによる中国のロックダウン、ロシアによるウクライナ侵攻、それに伴う原材料不足及び原燃料価格高騰、内外金利差の拡大による急激な円安など、外的要因に振り回された一年となりました。 その中で、積水化学グループは長期ビジョンの第一歩となる今中期経営計画「Drive2022」において、持続的成長にDriveをかけることを目指し、原燃料価格高騰に対応した迅速・適切な価格転嫁、たゆまぬ構造改革、新製品を含む高機能品へのシフト、次中期を見据えた仕込みなどに覚悟をもって取り組んできました。 今中期最終年度の今年度は、上期に計画を上回る営業利益を達成し、年度で過去最高となる営業利益1,000億円を狙えるところまできています。稼ぐ力の指標の一つであEBITDAも過去最高の1,500億円が見えてきました。全セグメントがこの3年間で強くなったと感じており、積水化学グループが一段高いステージに上るための基盤ができたと考えます。
 社会課題解決に貢献し、将来大きな事業となり得るバイオリファイナリー(BR)事業やペロブスカイト太陽電池、細胞培養ソリューション、まちづくり、海外インフラなど、中長期を見据えた仕込みも進捗を見ることができました。 そして、積水化学グループの強みであるESG経営についても昨年は大きく進展しました。サステナビリティ貢献製品の売上高比率は65%を超えるまでに伸長し、温室効果ガス排出量も2013年度比で20%超の削減を達成しました。いずれも中期計画以上に進展しています。
 今年は、まずはあと3カ月ある今年度の計画を必ず達成し、勢いをもって次年度・次中期に臨みたいと思います。新型コロナウイルスの感染拡大や原燃料価格の高止まり、円高の進行など予断を許さない経営環境は続くと思われますが、今中期の中で培ってきた力は本物です。各事業のポートフォリオ強化、聖域なき構造改革、高付加価値品へのシフトなどにスピード感を持って取り組み、さらに長期ビジョン実現に向けた仕込みや成長投資なども一段と加速させていきます。 世の中の激動の変化の中にこそ積水化学グループの出番、成長のチャンスがあります。健全な危機感と覚悟を持って、イノベーションによる長期ビジョンの実現に向けた成長に挑戦していきたいと思います。
 今年は十干十二支では「癸卯(みずのと・う)」です。癸卯の年は、これまでの努力が実を結び、勢いよく成長し飛躍する年と言われています。積水化学グループ全従業員一丸となって、培ってきた力をもとに、活力を持って新しい中期計画に臨む年にしたいと思います。
 本年が皆様にとりまして、より良い飛躍の年になりますよう、心よりお祈り申し上げます。
 
■旭化成ホームズ(株)代表取締役社長 川畑文俊氏
 昨年のわが国は、新型コロナウイルスに対する感染拡大防止と経済活動の両立の観点から、まん延防止等重点措置等の行動制限が解除されたこともあり、経済環境などで持ち直しの動きもみられましたが、ウクライナ情勢の影響等によるエネルギー資源、原材料の高騰、急激な円安の進行を背景に、依然として先行き不透明な状況が続きました。
 そのような中で昨年11月に設立50周年を迎えた当社は、お客様と社会から必要とされるEssential Companyとして成長し続けるために、2024年度を最終年度とした新中期経営計画を策定し、変化の時代において柔軟にポートフォリオを転換しながら成長をし続けるための取り組みを改めてスタートさせました。その中では社会の変化に合わせた既存事業の強化に加え、これまで蓄積してきたノウハウを生かした海外事業のさらなる拡大や、くらしの価値を一層高める新規事業の創出、そして世界共通で目指す脱炭素社会の実現に貢献する各種活動などに改めて注力しています。
 当社は本年も、人生100年時代を生き抜く人びとの「いのち・くらし・人生」全般を支え続ける商品・サービスを提供し続けることで、世の中に必要とされる企業を目指してまいります。
 
■三井ホーム(株)代表取締役社長 池田 明氏
 令和5年の年頭にあたり、謹んで新春のご挨拶を申し上げます。 新型コロナ感染者数が増加と減少を繰り返すなか、社会経済活動は徐々に回復基調にありますが、戸建ての注文住宅市場については、部資材価格の高騰、円安や物価上昇などの外部環境の激変に加え、将来のインフレ懸念による消費マインドの低下等により、厳しい事業環境が続いております。しかしながら、6月に国会成立した「建築物省エネ法」の改正、11月に閣議決定が公表された「こどもエコすまい支援事業」の創設などを追い風に、今年はポストコロナや脱炭素を見据えた住宅や木造施設系建築への新たな需要の活性化が期待されます。 このような事業環境の中、当社はお客さまの「すまいとくらし」へのニーズや価値観の変化、脱炭素社会実現への課題に的確に対応すべく、様々なビジネスモデルの変革に取り組んでおります。 主力の注文住宅事業では、昨年4月、新商品『IZM(イズム)』を発表いたしました。脱炭素社会のモダンデザインを標榜し、ニューノーマルにおける自分らしく、自由で豊かな暮らしを叶える商品として、子育て世帯のお客さまを中心に多くのご支持をいただいております。今後も耐震性・断熱性・耐久性に優れた「プレミアム・モノコック構法」の基本性能はもとより、ZEH等の環境負荷が少ない新商品企画や様々な面での品質向上に努め、お客さまの「憧れ」に寄り添い、一つひとつ丁寧にかたちにする、ハイクオリティな住まいづくりに注力してまいります。 また、賃貸・施設系建築事業では、木造マンション「MOCXION(モクシオン)」の訴求を強化し、昨年11月に三井不動産レジデンシャルと協業で国際的環境認証「LEED 認証」を取得予定の木造4階建て賃貸マンション「パークアクシス北千束 MOCXION」が着工、その他医療・介護施設等の分野においても主要都市で中大規模の木造施設系建築が竣工するなど、中層・大規模建築の木造化・ 木質化を促進しております。 さらに、10月には三井不動産株式会社や三井不動産レジデンシャル株式会社とともに、北海道、北海道森林組合連合会、北海道木材産業協同組合連合会と「建築物木材利用促進協定」を締結するなど、今後は当社グループの建築物において、国産木材も積極的に活用することで、2050年のカーボンニュートラルや持続可能なサプライチェーンの構築、林業とその関連産業の活性化による地方創生の実現に貢献してまいります。 三井不動産グループは、&マークに象徴される「共生・共存」「多様な価値観の連携」「持続可能な社会の実現」の理念のもと、社会・経済の発展と地球環境の保全に取り組んでおります。当社は、「高品質な木造建築の提供を通して、時を経るほどに美しい、持続可能なすまいとくらしを世界に広げていく」ことを使命と考えており、今後もその取り組みを強化することで、専用住宅や「MOCXION」をはじめとした賃貸住宅、木造施設系建築の普及・拡大に努め、SDGs や脱炭素社会の実現に貢献してまいります。また、リフォーム・賃貸管理などのストックビジネス、北米圏における海外事業の業容拡大を通じて、より一層の飛躍を目指してまいります。 本年も心新たに、持続的な成長に向け真摯に課題解決に取り組んでまいりますので、今後とも変わらぬご愛顧、ご支援賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
 
■トヨタホーム(株)取締役社長 後藤裕司氏
 新年、明けましておめでとうございます。令和5年を迎えるにあたり、ひとことご挨拶させていただきます。
 旧年は急速な円安が進行すると同時に、原材料をはじめ多くの製品で値上げが相次ぎ、経済環境はめまぐるしく変化いたしました。また、新型コロナウイルス感染症につきましては第8波が押し寄せ、引き続き、経済活動や日常生活が大きく制約されています。 こうした中、トヨタホームはお客様が日々、安全で安心して暮らせるためにタイムリーかつスピード感を持って先進技術を盛り込んだ商品とサービスを提供することを第一とし、販売店、施工店などグループが一丸となってお客様の幅広いご要望に応えてまいりました。 家と車とつなぐ非常時給電システム「クルマde給電」は新築戸建の半数に搭載されるようになり、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)の供給率は23年度に80%を超える勢いにあります。その取り組みは戸建住宅「SINCÉ SmartStage+HIRAYA(シンセ・スマートステージプラスヒラヤ)」が、2022年度のグッドデザイン賞を選定されるという形でもご評価いただきました。
 令和5年は昨年同様、エネルギーが逼迫することが予想されます。トヨタホームは断熱性能をより一層高めたZEHを投入するなどして、高まる省エネルギーへの関心にお応えします。また街づくりについては昨夏に始まった埼玉県久喜市における産学官プロジェクト「BRIDGE LIFE Platform(ブリッジ・ライフ・プラットフォーム)構想」で、お客様のご入居が始まりました。今年も首都圏、愛知県などで街づくりプロジェクトを立ち上げ、最先端の技術とサービスで、持続的な成長が期待できる街づくりを手掛けていきたいと思います。
 プライムライフテクノロジーズ株式会社(PLT)が発足して間もなく3年が過ぎ、新年度からは私共も新たな中期経営計画のステージに突入します。PLTグループ各社との連携を深化しつつ、さらなるシナジーを発揮することで、お客様のご期待にお応えしたいと考えております。皆様には、引き続き健康に留意いただき、良き一年となるよう、祈念いたします。
 
■パナソニック ホームズ(株)代表取締役社長 井上二郎氏
 住宅業界には、脱炭素化をはじめ、ZEHの普及促進、さらには空き家問題やストックの流通活性化等の社会課題への対応をはじめ、コロナ禍の生活様式への対応や、居住環境の向上や新たなニーズにも柔軟に対応できる住まいを開発・供給する社会的使命があると、より強く認識しています。
 当社は、今年創業60周年を迎えます。1963年の創業からこれまでの「感謝」と、これからの時代への「挑戦」を掲げ、お客さまと社会への一層のお役立ちとともに、持続可能な社会への貢献を目指していきます。  また、暮らし起点へ軸足を新たに、お客さまの暮らしに寄り添い、長く住み継げ、環境や社会にも優しい住まいのお届けに邁進していきます。今年も引き続き当社の強みを進化・拡充させ、住まいでは、暮らしやすく機能的な空間提案や、体にやさしい温熱環境と空気浄化を両立する全館空調システムなど、快適で健康的に暮らせる住まいの提案強化を図っていきます。
 次の時代を見据え、これからも「強さ」と「暮らしやすさ」にこだわりながら、お客さまお一人おひとりに、最高の感動と満足をお届けする、顧客満足度No.1の会社を目指して邁進してまいります。
 
■住友林業(株)代表取締役社長 光吉敏郎氏
1.はじめに 明けましておめでとうございます。ご家族とともに、健やかな新年を迎えられたことと思います。年始式にあたりご挨拶申し上げ、新たな一年のスタートを切りたいと思います。
2.昨年の振り返り(社会) 2022年は、ロシアによるウクライナ侵攻、中国・台湾間の緊張の高まり、度重なる北朝鮮による弾道ミサイル発射など各地で地政学リスクが顕在化した一年でした。 世界経済は、コロナ禍からの正常化に伴い回復基調にありましたが、欧米の主要国がインフレ抑制を目的に政策金利を引き上げ、景気後退が現実味を帯び始めています。 日本では、資源価格の上昇や円安の影響により、企業間取引の価格を示す企業物価指数が21か月連続で前年同月を上回っています。また、年末には、長年続いた大規模な金融緩和策を一部修正することを日銀が決定し、今後の金利動向にも注視が必要です。
3.昨年の振り返り(当社)
 激動の一年間、当社事業も様々な影響を受ける中、グループ社員の皆さんの日々の努力に心から敬意を表したいと思います。 事業本部ごとに見てみると、多くの課題が顕在化した一年でもあったと思います。 木材建材事業本部では、建設資材価格全般の単価上昇、特に輸入木材や国産材が高値圏で推移しました。一部の製造事業では業績に影響を受け、今年は、直面する課題解決を着実に実行に移していくことを期待します。 住宅事業本部の主力の戸建注文住宅の受注活動では、減少傾向にある展示場記名をデジタル・マーケティングで補い、プライムウッド戦略など付加価値訴求に取り組みました。ZEH比率も8割近くへ向上し、厳しい受注環境の中、奮闘した一年となりました。資材のコストアップ等へ対応し、今年は徹底的なコストダウン、経費も含めた合理化が求められます。 海外住宅・不動産事業本部は大きく貢献しました。一方で、米国では、昨年下期からは、住宅ローン金利の上昇に伴い販売が減速し、また豪州においても、資材コスト・労務費が増加し、厳しい状況でのスタートとなります。 資源環境事業本部では、ウッドショック以降、森林・木材資源の価値が注目されている中、収益力向上に向けて、マーケッティングの立て直しが急がれます。 生活サービス本部は、コロナ禍の様々な制約の中、介護施設の入居率向上、VISONのホテル稼働率上昇に取組み、保険駆け込み需要などもありました。
4.2023年の展望 次に2023年の世界情勢ですが、ロシアのウクライナ侵攻に伴う政治・経済への影響は当面、続くと思われ、中国・台湾関係や北朝鮮問題も一層緊張感が高まることが懸念されます。 IMFは今年の世界の実質GDP成長率を+2.7%と予想しており、エネルギー危機の深刻化や中国経済の減速などから経済成長は鈍化すると思われます。 グローバルな経済活動の基盤であった国際秩序が揺らぎ、分断が深まり、世界中が不安定な政治・経済状況に直面していますが、そのような中でも脱炭素に向けた世界の動きは加速し、目の前には、様々なビジネスチャンスが広がっています。 住友林業グループは脱炭素社会の実現に向け、SDGsの目標年でもある2030年を見据え、昨年長期ビジョン「MissionTREEING2030」および中期経営計画を策定して来月で一年を迎えます。 多くのステークホルダーの方々から、壮大なビジョンに高い評価をいただき、当社グループへの期待が高まっているのを感じます。ビジョンは実現するためのもので、社員一人ひとりが、日々の仕事を通じて、既存事業の継続的な成長と合わせて、脱炭素関連の新たな取り組みを着実に進捗・実行させていく必要があります。 「MissionTREEING2030」で掲げた脱炭素事業3大テーマの進捗と今後について、説明します。 川上の森林部門では、「循環型森林ビジネスの加速」を掲げ、今期は第1号森林ファンドの組成に向けて取り組んでいます。また、インドネシアでの泥炭地管理プロジェクト「NeXTFOREST」では、森林経営コンサルティング事業を進めていきます。 組織面では、「脱炭素事業企画室」を「脱炭素事業部」に変更し、体制を強化したうえで、脱炭素ビジネスを加速させます。さらに「山林部」と「海外資源部」を統合、「森林資源部」として国内外の森林資源の価値の最大化に向けて取り組みます。 次に川中の木材部門ですが、「ウッドチェンジの推進」を掲げ、木材コンビナート構想を実現し、国産材を中心とした木材利用の促進を図ります。鹿児島県志布志市では、スギ低級材を活用した高強度構造材の製造技術の早期確立に取り組み、2025年に稼働を目指します。 また「建てる時のCO2排出」を見える化するソフトウェアOneClickLCAの日本国内での販売を開始しました。既にデベロッパー、設計事務所、大手ゼネコンとも契約を締結済みで、建築業界を横断した取り組みを進めています。同時に、木材・建材の環境ラベルEPDの認証取得を促し、建築分野における「脱炭素設計のスタンダード化」を川中からも進めていきます。 これらの新規事業を強力に推進するため、木材建材事業本部では、重点領域に機能と人員を集約し、「事業開発部」と「ソリューション営業部」を新設しました。川下の建築部門は、ZEH、ZEB、LCCM住宅、ネットゼロカーボンビルの普及を進め、「脱炭素設計のスタンダード化」を図ることで、木造建築の普及を推進し「暮らすとき」と「建てるとき」、2つのCO2排出量を削減していきます。 災害に強い「安心安全の家づくり」、断熱性能や調湿効果のある木の効用を活かした「健康によい家づくり」はもとより、これからは、建てるときのCO2排出量が少なく、炭素固定効果のある「地球環境に良い家づくり」に注目が集まってきます。 「建てるとき」のCO2排出を含めてネットゼロにするLCCM住宅を昨年発売し、米子にはモデルハウスもオープンしました。今後、積極的な提案をしていきましょう。 国内住宅事業は建築資材価格の高騰の影響を受けて収益性が低迷しており、営業手法や生産合理化・工期短縮・資材コストの抑制など抜本的改革を図る必要があります。営業効率向上、業務負荷軽減、コストダウンを図るため、営業・設計・生産に横串を通した「イノベーション推進部」を新たに設立しました。 海外・住宅不動産事業ですが、主力の米国市場の住宅ローン金利は昨年半ばから急騰し30年固定で6%を超えており、旺盛だった需要に急ブレーキが掛かっていますが、市場環境の動向を注視しながら、既存事業での収益性の確保と新たな収益源の創出を目標に事業運営していきます。コストダウンの取り組みとして、深刻な労働力不足による工事費の高騰や工期の長期化に対応するため、昨年、フレーミング、内外装工事等の請負事業とトラスや壁パネルなどのコンポーネント製造事業に参入しました。パネル設計から施工まで材・工一貫体制を確立し、工期短縮や施工合理化を図ります。 また、中大規模木造建築と不動産開発を一体的に進めるべく、「建築事業部」を海外住宅・不動産事業本部に移設し、海外住宅・建築・不動産事業本部に改組しました。 豪州メルボルンで15階建て、英国ロンドンで6階建ての木造オフィスビルの建設が進んでいますが、今後、国内外で、集成材やCLT、LVL、などを構造躯体に使ったマスティンバー建築と不動産開発事業を新たな収益の柱として育成・強化していきます。 本社組織では、今後、増加するM&A案件や新規事業に対し、法務面でのサポートを充実させるため、「法務部」を新設し、グループ全体を見据えた本社管理部門の強化を図ります。
5.住友林業グループ社員に向けて 当社グループには、創業以来、公正・信用を重んじ社会を利するという「住友の事業精神」が息づいています。サステナビリティという言葉が使われる120年以上も前から「国土報恩」、「自利利他公私一如」の精神に基づき、荒廃した山を元通りの山に戻す「大造林計画」を策定・実施したことはご存じの通りです。 持続可能な社会の実現が求められている時代に、国内外での森林経営、木材建材の製造・流通、木造建築事業、バイオマス発電事業という「木」を軸にしたユニークなバリューチェーンを持つ当社には、脱炭素社会に向けた社会課題の解決に大きな期待を受けています。 不確実性が高まる時代に直面していますが、私たちは、住友林業グループのビジョンを描いた「MissionTREEING2030」を達成することで、あるべき未来を実現できると考えています。ビジョン達成に向けては、社員皆さんの自主性とチャレンジ精神を発揮することが欠かせません。自由闊達な職場風土を醸成し、社員の皆さんが議論を交わしながらも方向性を共有し「腹落ち」して業務に取り組めるかどうかが鍵となります。 「SAFETY FIRST」、「ZERO DEFECTS」のスローガンの下、安全で健康的な職場環境を維持し、お客様の感動を生み、信頼される商品・サービスの提供を心掛けてください。 2023年の干支は「卯(ウサギ)」です。卯は十二支の4番目でまた、十干(じっかん)では「癸(みずのと)」となり、十干の最後にあたる10番目で、次の生命を育む準備が完了したことを表しており、これを合わせた「癸卯(みずのと・う)」には、厳しい冬を越えて、芽吹き始め、新しい成長の礎となる年と言われています。新たな取り組みに積極的に取り組んでいきましょう。 住友林業グループは「健康経営宣言」を策定し、社員一人ひとりが健康でいきいきと働けることを会社として取り組むことを約束しています。皆さんもご自身とご家族を守るために感染症対策を怠らず、ワークライフバランスを保ち、心身ともに健康第一に業務に取り組んでください。 本年の皆さんの活躍を期待しています。
 
■ポラスグループ代表 中内 晃次郎氏 
 2020年1月に国内初の新型コロナウイルス感染者が確認されてから、3年が経とうとしています。 新型コロナウイルスはパンデミックを引き起こし、感染防止を目的とした人流抑制策等により、世界経済が停滞するなど現在も大きな影響を受けています。2023年1月現在、収束に向かいつつあるとの説もありますが、国内では第8波といわれる状況になっており、未だにマスクが手放せない状態です。 この間、我々の仕事の環境は大きく変わりました。感染防止対策の一環として、ウェブ会議、テレワーク、お客様とのリモート商談や、展示場やモデルルームへのご来場は事前予約が多くなりました。 住宅の市況においても、外出の自粛や在宅ワーク等の影響により、住まいに対する関心が高まり、住宅購入の需要が顕在化した時期でもありました。 新型コロナウイルスの蔓延やこれに起因する、物流の混乱、資材等の不足や高騰、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化など、予測のできないことが起きています。 弓道の考え方に「正射必中(せいしゃひっちゅう)」という言葉があります。これは、的を狙うに際して、的に中てることばかりに意識を置くのではなく、正しい手続きを踏み、そのことに意識を集中していけば、結果として必ず的に中てることができるという考え方です。 当社には経営理念や経営基本方針があります。それらから外れた業務の進め方は、我々の仕事の進め方ではありません。予測のできない時代だからこそ「正射必中」で、絶えず経営理念や経営基本方針に照らし合わせながら、仕事に取り組んでまいります。
 
■(株)アキュラホーム 代表取締役社長 宮沢俊哉氏
【厳しい経済情勢下でも ESG経営、SDGsを推進し、5階建て木造ビル・邸宅モデルを実現】
 新年あけましておめでとうございます。2023年の年頭にあたりご挨拶申し上げます。 昨年は、資材高騰やウクライナ情勢の緊迫化、円安の急進など、国内外を取り巻く経済環境は大変厳しい状況にありました。アキュラホームグループでは、このような状況下でもESG、SDGsを行動の基本として、独自の合理化やコスト削減により、価値ある住まいを適正な価格で提供、売上げを拡大することが出来ました。 2022年は、事業の2本柱となるTOPブランド戦略「中規模木造建築事業」と「AQPRIME」が本格的に始動しました。 「中規模木造建築事業」では、新社屋「8階建て純木造ビル」が着工しました。そして、9月には日本初の「5階建て純木造ビルモデルハウス」がオープン。さらに、東京大学、京都大学の耐震技術の研究者とともに世界初「5階建て純木造ビル実物大耐震実験」を行い、「普及型純木造ビル」プロトタイプの性能を実証。純木造ビルモデル棟の完成によって、日本の街並みに木造建築を復興する「Re:Treeプロジェクト」がスタートしました。 また、日本が世界に誇る最高峰の名工たちとともに最高級の邸宅を提供する「AQPRIME」では、日本トップクラスのモデルハウスが建ち並ぶ住宅展示場「駒沢公園ハウジングギャラリー」(東京都世田谷区)に出展しました。著名な邸宅建築家と、通常は建築家と協業することのない日本の伝統工芸を継承する世界的な7名の匠たちの技術をアキュラホームがプロデュースし、展示場内でも唯一無二のクオリティを実現しています。 この2つの事業の知見を活かし、2022年グッドデザイン賞を受賞した「超空間の家」は、邸宅や5階建てまで実現することが可能となり、住まいの「つくり手集団」として、これまで以上にお客様のニーズにお応えすることが可能となりました。
【木造注文住宅を核に「住」に関するサービスをグループ全体で一貫し提供するオンリーワン企業へ】
 2023年は、引き続きインフレや物価高、光熱費高騰や金利上昇も見込まれ、経済変動の影響が大きな年になることが予想されます。そして、アキュラホームグループは創業から45周年を迎える年です。創業当初から木造注文住宅を独自の合理化やコスト削減によって、適正な価格で価値ある住まいを提供し続けてきました。本年は、その原点に立ち戻り、さらにコストパフォーマンスに優れた低価格帯の木造注文住宅をも提供してまいります。 昨年、TOPブランド戦略で得られた中規模木造建築事業の技術力や邸宅建築の知見を活用し、オリジナル木造軸組構法「剛木造」を開発しました。これまで注文住宅事業は中価格帯を主流としてきましたが、低価格帯の注文住宅にも対応し「1,000万円からの“お手ごろ価格帯”から5億円超の“邸宅”まで」、「平屋から5階建てまで」と幅広いラインナップでお客様の様々なニーズに対応することが可能となりました。この「剛木造」は、新事業である 次世代フランチャイズ事業「アキュラホームFC」によって全国に展開します。アキュラホームグループの技術力とブランド力をもって、地元愛溢れるビルダー・工務店とともに、地域の皆さまの豊かな暮らしを提供します。2027年 度には直営店とFC店をあわせて注文住宅日本一となるグループ1万棟超の販売を目指してまいります。 また、これまでの蓄積と投資によって、様々な事業が相互にシナジーを発揮し、賢く連携できる組織としての基盤が形成できました。分譲住宅事業は注文住宅の「つくり手」として培ってきたノウハウを活かし、コストパフォーマンスの良い分譲住宅を展開しています。さらに、注文住宅を建築する目線でトータル提案ができる「ランドサーチ事業(土地探し)」や、多くのお客様のニーズにお応えしてきた経験を活かす「リフォーム事業」、エリア特性を理解し最適な提案を行う「資産活用事業」など、新たな領域で展開する事業も飛躍的に成長しています。 中規模木造建築事業は、米国で開催される世界初の木造10階建て実物大耐震実験が目前に迫りました。そして今夏、東京都墨田区に新たな中層モデルハウス(4階建て以上)をオープンする予定です。今年は千葉、埼玉にも建築し、一都三県を中心に展開していきます。さらに、埼玉県上尾市に木造建築技術に関する総合研究施設の建築を進めています。国内に留まらず世界の研究機関とも連携をとり、木造建築の普及発展に貢献するとともに技術向上を目指してまいります。 厳しい経済情勢下においても、誰もが理想の住まいを実現できるよう、「剛木造」だからこそ実現するコストパフォーマンスの良い木造注文住宅を核とし、「住」に関連するサービスをグループ全体で一貫し提供するオンリーワン企業を目指してまいります。この新しい年が皆様にとって実り多く素晴らしい一年となりますことを祈念して、私の年頭のご挨拶とさせていただきます。
 
■(株)LIXIL住宅研究所 代表取締役社長 加嶋伸彦氏
 新年明けましておめでとうございます。年頭にあたり、ご挨拶申し上げます。2022年、ウッドショックは、多少落ち着いたものの急激な円安が進み、さらにエネルギー価格の上昇も加わり、住宅資材価格にも影響が出ています。来年は円高傾向になるとの想定もありますが、この価格高騰の状況はしばらく続くものと思われます。 また、新型コロナウイルスはまだまだ様々なところに影響を及ぼしていることを踏まえ、ウィズコロナの時代に進んだ社会・経済・消費者の変化に対し、柔軟性をもちながら、スピーディーな経営に取り組む必要があると考えております。
 さて、2022年、当社では運営するブランドごとにその特長を生かした取り組みを展開してまいりました。アイフルホームにおいては、フルタイム共働き夫婦&未就学児の子育て世帯をターゲットに掲げ、「子育てしやすい家No.1」を目指して活動してまいりました。結果、キッズデザイン賞、子育て支援大賞、ペアレンティングアワードと子育て関連の第三者表彰を獲得することができました。近い将来アイフルホームの住まいが、子育て世帯のスタンダードとなれるよう引き続き、商品・サービス開発などの進化を進めてまいります。 11月には、資材高騰への対応策として定額制のセミオーダー住宅「Lodina」を発表いたしました。当社が実施したオンラインイベントの参加者からは「セミオーダー」「定額制」について高い評価を頂いております。 また、フィアスホームにおいては「高気密高断熱住宅+パッシブデザイン」、GLホームにおいてはツーバイシックス工法をベースにした「アメリカンデザイン+ジャパンクオリティ」といったそれぞれの強みを掲げ、脱炭素社会の実現、末永く住み続けられる街づくりへの貢献などに取り組んでまいりました。引き続き、住まいでできる社会課題の解決に寄与できるようブランドの強みを生かした研究開発や住まいづくりに取り組んでまいります。
 2023年は、エネルギーや資材価格の上昇もしくは高止まりの傾向が続くとみられており、住宅価格のさらなる上昇も避けられない状況です。また、脱炭素社会の実現に向けた取り組みがより進み、ZEHの標準化やさらなる省エネ住宅の開発・普及など様々な課題への対応が求められるでしょう。 当社は、2023年で設立から20周年の節目の年を迎えます。中長期的には「構造改革」「持続的成長」「LIXILとのシナジー強化」の3つの軸で進めてまいります。「構造改革」においては、デジタル技術の活用や既存事業の見直しを進め、さらなる合理化に取り組み、資材価格高騰への対応など、積極的に進めてまいります。「持続的成長」に向けては、各種合理化による生産性向上に努めるとともに、新築だけでなくリフォームやリノベーション事業の強化・拡大に取り組んでまいります。「LIXILとのシナジー強化」においては、第2弾、第3弾の合理化住宅の開発を進めるなど、グループの総合力を活用し、当社FC事業の強化を進めてまいります。 新たなFC像を作り上げるべく、よりスピード感を持って事業展開を進め、国内最大級の住宅フランチャイズチェーンとして、お客様に「豊かで快適な住生活をお届けしていく」ことを最大の目的として、精進していきます。 本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
 
■ケネディクス(株)代表取締役社長 宮島大祐氏
 2023年の年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
 昨年を振り返りますと、ロシアによるウクライナへの侵攻は世界中に大きな衝撃を与えました。原材料や燃料の高騰による想定外の世界的インフレ加速や新たな地政学的リスクの顕在化など、長らく続いていた金利低下局面からの大幅な転換を迎えた一年でした。
 このような環境下でしたが、ケネディクスグループは2025年中期経営計画の達成を目指し着実な歩みを進めることができました。そして、2021年より進めていた事業戦略の再構築による新たなビジネスプラットフォームも着実に芽吹き始めています。 「不動産セキュリティ・トークン(「不動産ST」)」では3件の案件組成を実現し、中でも日本最大となる約70億円のSTO(資金調達)ではTADSアワード2022において資産担保型トークン分野でのアワードを受賞することができました。「賃貸戸建住宅ファンド」では、ホームIoTや実質再生可能エネルギー、太陽光発電システムといった様々な付加価値を提供しながら、500億円超の規模まで運用物件を積み上げることができました。「再生可能エネルギー事業」においても、当社が運用するホテル「ザロイヤルパークキャンバス銀座8」への100%再エネ電力供給を開始、オフサイトPPA契約を活用した新たな電力マネジメントへの挑戦に踏み出しています。
 2023年からは、「REIT」「私募ファンド」といった安定的な事業の柱に加えて、これらビジネスプラットフォームも本格稼働し、ケネディクスグループはいよいよ新たな成長フェーズを迎えます。 「不動産ST」については、大手証券会社が続々と参加を予定しており、今年は「不動産STの開幕戦」となります。当社でも、ユーティリティ・トークンの発行といった新しい取組みのほか、不動産STの組成を加速させ、REIT・私募ファンドに次ぐ第三のAMプラットフォームとして育ててまいります。「賃貸戸建住宅ファンド」においても、新たなオープン・エンド・ファンド組成により投資家の皆様へ新しい投資商品の選択肢を提供してまいります。「再生可能エネルギー事業」ではPPAモデルの検証を踏まえたうえで事業化を推進し、グループREITの100%再エネ電力化に向けサポートしてまいります。この他にも、コアファンド組成やホテル投資、横浜での大型開発など、様々な事業が控えています。
 ケネディクスグループは不動産の限りなき可能性を切り拓くことで、これら事業の飛躍的な成長、またそれを実現するための運用力の強化を全員で目指してまいります。
 
■大東建託グループ代表取締役社長 小林克満氏
 新年あけましておめでとうございます。2023年の年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。一方で、新型コロナウイルス感染症に罹患されたみなさま、また自然災害による被災されたみなさま、困難な状況におられるみなさまにおかれましては、心よりお見舞いを申し上げますとともに、1日も早いご回復、そして、1日も早い日常生活の復旧をお祈り申し上げます。
 昨年は、新型コロナウイルス感染症変異株の急速な拡大に加え、社会・世界情勢の変化に伴う円安、物価上昇が、生活や経済に大きな影響を及ぼしました。当社グループも例外ではなく、出社率や対面営業の制限をはじめとする企業活動への影響、輸入資材の高騰など、多くの困難に直面しました。そのような状況下にありながらも、当社グループ業績予測につきましては、本年度の初めに発表した計画通りに推移させることができております。これもひとえに、オーナー様、入居者様、取引先様をはじめとするステークホルダーのみなさまの多大なるご支援と、グループ従業員の奮闘の賜物であると考えております。この場を借りて、改めて感謝申し上げます。
 迎えた2023年は、2019年度を初年度とする中期経営計画「新5ヵ年計画」の最終年度となり、当社グループの創業50年目を迎える節目の年となります。当社グループにとりまして意義深い2023年を、私は、すべてのステークホルダーのみなさまへの感謝と共に、「さらなる挑戦と変革への年」と位置付けています。 私は、事業環境の変化や社会課題を、成長や変革のための機会にできる企業こそが、今後の社会においてもステークホルダーのみなさまから信頼とご支援を受け続けることができる企業であると考えています。当社グループは、「大東建託グループ7つのマテリアリティ(重要課題)」を軸に、引き続き事業を通じた社会課題解決に向けた挑戦と変革に取り組み、まずは新5ヵ年計画最終年度での過去最高業績の達成を目指します。
 さらに本年、当社グループは、2030年を見据えた新たな経営ビジョンの発表を予定しています。ビジョンが示す7年後に、2023年が、新たな成長や変革に向けた起点であったと振り返ることができるよう、グループ従業員一同、ワンチームで挑戦し続け邁進してまいります。
 ステークホルダーのみなさまにおかれましては、どうぞ大東建託グループの新たな一歩を楽しみに、本年も変わらぬご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
 
■ハウスコム(株)代表取締役社長執行役員 田村 穂氏
 皆様に謹んで新年のご挨拶を申し上げます。 また、旧年中は格別のご支援、お引き立てを賜り、心より御礼申し上げます。
 昨年は、当社のミッション「住まいを通して人を幸せにする世界を創る」の実現、また地域の特性や商習慣を踏まえた戦略を実行していくため11月1日に仲介事業とリフォーム事業の持株会社体制へ移行が完了し、15社体制となりました。 新体制への移行により事業領域の拡大による収益構造の転換、ITやAI技術を活用した既存事業の競争強化、新規出店やM&Aでの店舗数増加による規模拡大、内部体制の強化を今年も行ってまいります。 また各地に合った従業員の教育・研修、人材資源の確保を推進していきます。
 2022年は、「HOUSECOMDXConference」を実施し、「2030年の暮らし」や「メタバース」、「アフターデジタル」などをテーマに専門家や有識者の方々と業界の壁を超えてDX推進の知見を共有しました。また宅建業法改正に向けて電子契約の対応範囲の拡充、守りのDX(店舗入力業務の自動化・電子契約促進)により従業員の体験向上、攻めのDX(様々なお部屋さがしに関する顧客データの活用)により顧客体験価値の向上を行い、顧客の成功への取り組みを行いました。
 2023年は、入居者側のエージェントとして全国へ展開していき、入居後もお客様と繋がり続けられる住まいサービスを構築し、売り切り型のみの事業ではなく、リテンションモデルを目指してまいります。 また、自主管理家主様ともお客様の部屋を決めたあとの生活まで一緒にサポートしていきたいと考えておりますので家主様会の実施などを通して密に連携を取り、新サービスの導入やサービスの拡大も行って参ります。
 新しい年のハウスコムに、是非ご期待ください。皆様にとって、幸多い一年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。 本年も皆様の一層のご指導、ご支援を賜りますよう宜しくお願いいたします。

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サイト名 不動産買取カウンター
運営会社 株式会社PINTCULL(ピントクル)
設立 2017年6月27日
住所 〒650-0004 兵庫県神戸市中央区中山手通3丁目10−6
TEL 050-6865-3388
URL https://kaitori.pintcull.jp
事業内容 インターネットメディアの企画・開発

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