国交省、都市緑地評価のあり方で中間とりまとめ
国土交通省は28日、「民間投資による良質な都市緑地の確保に向けた評価のあり方検討会」 (座長:柳井重人千葉大学大学院園芸学研究院教授)の中間とりまとめを発表した。
都市を取り巻く社会情勢の変化のうち、気候変動対策、生物多様性の確保、Well-beingの向上について、これらの課題解決に向けた積極的な対応が求められていることなどを踏まえ、2023年2月に同検討会を設立。都市緑地の確保につながる取り組みの評価のあり方について検討を進めてきた。
中間とりまとめでは、グリーンインフラとして多様な機能を有し、課題解決に大きな役割を果たす都市緑地の質・量の確保を官民で連携して一層推進する必要があるとした。特に、ESG投資等の世界的な広がりを踏まえると、市場の中で緑地確保が進むよう民間投資を誘導する観点がより広い効果の発現をもたらす上でも重要であるとしている。その際、良質な緑地の確保のインパクト等が見える化されることで、投資家や消費者等に選択されやすくなり、資金の流れの創出が期待できる。その手段として良質な緑地を確保する取り組みの評価・認証制度の構築が重要であるとした。
制度設計にあたっては、安定性や統一性を確保しつつ、国際的な目標との整合等を図るため、国が評価機関をオーソライズした上で、当該機関が個別の事業者の取り組みを評価・認証する枠組みを設けることが有効であるとした。評価手法では、「気候変動対策」「生物多様性の確保」「Well-beingの向上」の3つの視点とともに、緑地の機能を継続的・安定的かつ最大限発揮するための「マネジメント・ガバナンス」「土地・地域特性の把握・反映」の視点や、これらを通じて「地域の価値向上」を目指すことがポイントになる。評価の対象は、(1)新たに緑地を創出する事業、(2)既存緑地の質の確保・向上に資する事業。対象となる地域は都市計画区域内の都市緑地(樹林地、草地、人工地盤上の緑地、屋上・壁面緑化、農地等)で、主体は民間事業者(地方公共団体も含む)を想定している。
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