ケネディクス(株)は7日、JREIT、私募ファンドに次ぐ第3の柱として2021年から取り組んでいる不動産STO(Security Token Offering)の現状を明らかにした。これまで2年間で8本の不動産STOを実施し、JREITや私募ファンドでは取り込めなかった個人投資家層を開拓している。
STOは、ブロックチェーン技術を使いデジタル証券(セキュリティ・トークン=ST)を発行して資金調達を行なうもので、不動産STOは、裏付け資産が不動産やその権利であるものを指す。JREITは上場市場で取引を行なうコストを賄うため、最低でも約300億円のポートフォリオが必要となるが、不動産STはデジタル技術で取引・決済手続きを効率化し運用コストを圧縮することで、個別不動産でも証券化が可能。売買単位が1口50万〜100万円と低く設定できる、証券会社の店頭での売買が可能で一定の流動性があること、金商法による投資家保護、ネット販売にマッチする、短期間で販売が可能など、より個人投資家向きの商品特性となる。
同社は21年7月、東京都渋谷区内の賃貸マンションを裏付け資産とする公募型不動産STOを、日本で初めて発行(公募額14億5,300万円)。これまで8本、約407億円の不動産STOを発行し、引き受け証券会社を通じて販売してきた。今年8月には、高層賃貸マンション「リバーシティ21 イーストタワーズII」(東京都中央区、鑑定評価額300億円)を裏付け資産とする不動産STOを実施。ST発行総額は134億円と過去最高だったが、数週間で完売した。購入者のほぼ全てが個人投資家。「法人も富裕層の資産管理会社など実質個人富裕層。これまで8本の不動産STOもほとんど同じ傾向。9割が機関投資家のJREITと真逆の商品特性」(ケネディクス執行役員デジタル・セキュリタイゼーション部長・中尾彰宏氏)。
23年8月末時点で発行された不動産STOは同社案件含め20件、約578億円、市場規模(AUM)は約1,331億円となっている。裏付け不動産は住宅が4割強でトップ。これにホテルが約25%で続く。個人投資家が資産性を把握しやすいことが理由で、オフィスや商業施設が中心のJREITと商品性が異なる。
一方、今後の市場成長にあたっての課題として(1)売買の利便性と透明性の確保、(2)事業者の多様化による組成・販売効率の向上、(3)投資家認知度や理解度の拡大、を挙げた。「大阪デジタルエクスチェンジが今年末にもST取り扱いを開始すると言われており、売買の利便性や透明性向上が期待できる。事業者の拡大とデジタル技術の活用で市場が拡大すれば、業務効率化やコスト低減が図られていくだろう。当社の不動産STは100万円単位での販売だが、販売効率が向上してくればより少額での取引が可能となり、さらに裾野が広がる」(中尾氏)。現在ファンドで運用している戸建賃貸も不動産STの対象として検討していく方針。
同社は、今後の不動産ST市場規模について、25年には5,000億円に拡大、30年には2兆5,000億円規模となるとみている。
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